八女普通蒸煎茶、福岡県広川町産、やぶきた
東京都優良茶 品評会出品茶
1,260円/100g
2011年10月思月園にて購入
玉露でも深蒸しでもない「八女の普通蒸し煎茶」は、とても美味しいのに、東京ではそんなに積極的に販売されていない。
思月園さんでも八女の煎茶は深蒸ししかない時期があるが、東日本における放射性物質の影響もあり西のお茶が増加、八女の普通蒸し煎茶も入ってきた。
「八女の普通蒸し煎茶」ファンとしてはありがたいが、放射性物質の影響に苦しむ東日本の関係者のことを考えると苦しくもある。
さてこのお茶は、1,260円の割には、茶葉の色も薄緑の部位(芽の薄緑ではなくて)がけっこうあり、芽も多くはなく、そんなに高級という見た目ではない。
淹れてみても、高級部位特有の鼻から抜けるような繊細な香りは少ない。
が、旨み成分はかなり濃厚。
ただ、本品はどうも火香が強いなあと。
淹れ方にかなり敏感な茶葉で、温度や抽出時間によっては、老ねたような渋み・苦味ばかりが強調されてしまうことも。
また、同じ茶葉で2回目に淹れたときの甘くぼけた味が面白く、ここに八女の特徴がよく出ているとさえ言えるかもしれない。
2011年12月31日土曜日
2011年11月7日月曜日
八女かぶせ茶 福岡県広川町産 やぶきた
東京都優良茶 品評会出品茶
1,475円/100g
2011年10月思月園にて購入
久々のかぶせ茶。
かぶせ茶は、製法、味ともに、煎茶と玉露の中間的なものといえる(wikipediaがよくまとまっている)。
思月園さんによると、
茎や粉を篩い分けると、目減りしてしまうので、歩留まりが悪くなる。
手間とお金がかかったお茶である。
確かに、立派な「覆い香」を持つお茶だ。
見た目は玉露とずいぶん違い、中蒸しぐらいの細かさだろうか。
茶葉の質ではなく、細かさで濃厚な味が出ているようなところはあり、玉露よりも庶民的な感じがする。
普通の煎茶に比べてかぶせ茶は体験が少ないので、まだまだ自分の中で基準ができていない。
久々に飲んだら、「覆い香」もとても良かったので、今後、もっと経験を深めてゆきたい。
1,475円/100g
2011年10月思月園にて購入
久々のかぶせ茶。
かぶせ茶は、製法、味ともに、煎茶と玉露の中間的なものといえる(wikipediaがよくまとまっている)。
思月園さんによると、
「このかぶせ茶は、味・香りは申し分なかったのですが、粉や細い茎が多く含まれていて、手を出しにくい外見でした。そこで思月園がチャレンジ精神を発揮して落札し、静岡で自前の仕上げをしました。何度も唐箕やカラーセンサーに通して、ようやく販売できる形状になりました。」とのこと(サイトより引用)。
茎や粉を篩い分けると、目減りしてしまうので、歩留まりが悪くなる。
手間とお金がかかったお茶である。
確かに、立派な「覆い香」を持つお茶だ。
見た目は玉露とずいぶん違い、中蒸しぐらいの細かさだろうか。
茶葉の質ではなく、細かさで濃厚な味が出ているようなところはあり、玉露よりも庶民的な感じがする。
普通の煎茶に比べてかぶせ茶は体験が少ないので、まだまだ自分の中で基準ができていない。
久々に飲んだら、「覆い香」もとても良かったので、今後、もっと経験を深めてゆきたい。
2011年10月10日月曜日
秋のお茶
高級茶が出揃う秋
一般の消費者からするとお茶といえば新茶、5月あたりが楽しみである。
自然の摂理を考えれば真っ当な考えなのだが、お茶を売る側からすると、秋も非常に重要な季節のようだ。
というのも、現在の日本では、夏の終わりから秋に主要な品評会、入札会が目白押しだからである。
あるお茶屋さんが、「美味しいお茶は、新茶の季節よりも秋の入札会で出てくるものだ」と仰っていた。
丁寧に作ったお茶は、低温保存され、秋の入札会に出されるものが多い・・・・つまり、そういうお茶は秋に摘まれたものではなくて、春に摘まれたものが秋に出てくるということである。
植物の特性としては、新鮮さや栄養が減ってしまうというのは間違いないと思うが、「滋味がある」という言い方をする人もいる。
業界的に、「新茶の華やかさよりも、夏を越えたお茶のまろやかな味を楽しむのが通」というような風潮は存在すると感じる。
が、いくつかの点で疑問がある。
茶道(抹茶)では「口切りの茶事」というものがあり、春に摘んだお茶を冷暗所で保管しておいたものを、秋に開封し飲む伝統があり、それらは「新茶のとげとげしさがなくなり、その結果まろやかな旨みが強調されたものになる」、とされる。
このことから煎茶でも「夏を越えたのが通の味」と言われているように見える。
だが、煎茶の場合、例えば「秋の口切り」で検索してみると分かるが、「零下30度で真空保管されたもの」が「秋の口切り」として売られていたりして、それだったら単に「新茶の保存」という意味合いのほうが強いのではないかという気もする。
良いものを秋に出すところが多いので、品質の良さが鮮度の劣化を上回っているという気がする。
(ちなみに、そのような批判に応えるべく、高地の蔵のような冷暗所で壷に入れて保管の上、秋以降に出してくるという煎茶も、ごく稀に存在する。これは確かに独特の円やかさを感じた。が、大部分のお茶はそうではない。)
また、新茶の味(作り方)は今昔でかなり違う(昔の新茶はもっと青々とした味であった)ので、秋まで寝かせる意味合いというのも今昔では全く違うはずなのだが、そういう文脈はどこへいってしまったのだろう?
という場合が多いように思えてならない。
秋に摘まれたお茶
また、上記のような「春に摘まれて秋に出てくるお茶」ではなく、「本当に秋に摘まれたお茶」ももちろん存在するが市場価値は低いのが現状である。
紅茶では秋に摘まれた「オータム・ナル」というものもあり一定の評価を得ているし、日本茶でも秋に摘まれたお茶を伝統的には「番茶」として飲んできたところも多々あるので、可能性はあるかもしれない。
お茶は米のような種ではなく葉っぱなので、春摘みのお茶しか飲まないことのほうが、歴史的には不自然と言えるだろう。
秋のお茶は「火香」に注意
品評会に出すようなお茶とは別に、秋に多くなるお茶がある。
それは、火入れを強くしているものだ。
「月見茶」のように銘打っているところもあったが、あるお茶屋さんでは同じ銘柄でも無言で秋・冬は火香を強くしていた。
そのお茶屋さんに問い合わせたら、「秋、冬は、火入れを強くしている」という回答をいただいた。
もちろん、品評会に入賞するような高級品には、お茶本来の味が分かりにくくなるので、そういうことはしない。
一般に「狭山火入れ」(強い火入れが特徴)という言葉があるが、狭山茶でも、品評会に出るようなものは、そうしたものとは全く別の作り方をしている。
寒い季節=強い火香というのも分かるが、例えば、火香が強い蒸し製緑茶だけではなく、釜炒り茶(釜香)をそういうシーンでの飲用に薦めてみてはいかがだろうか、と思う。
一般の消費者からするとお茶といえば新茶、5月あたりが楽しみである。
自然の摂理を考えれば真っ当な考えなのだが、お茶を売る側からすると、秋も非常に重要な季節のようだ。
というのも、現在の日本では、夏の終わりから秋に主要な品評会、入札会が目白押しだからである。
あるお茶屋さんが、「美味しいお茶は、新茶の季節よりも秋の入札会で出てくるものだ」と仰っていた。
丁寧に作ったお茶は、低温保存され、秋の入札会に出されるものが多い・・・・つまり、そういうお茶は秋に摘まれたものではなくて、春に摘まれたものが秋に出てくるということである。
植物の特性としては、新鮮さや栄養が減ってしまうというのは間違いないと思うが、「滋味がある」という言い方をする人もいる。
業界的に、「新茶の華やかさよりも、夏を越えたお茶のまろやかな味を楽しむのが通」というような風潮は存在すると感じる。
が、いくつかの点で疑問がある。
茶道(抹茶)では「口切りの茶事」というものがあり、春に摘んだお茶を冷暗所で保管しておいたものを、秋に開封し飲む伝統があり、それらは「新茶のとげとげしさがなくなり、その結果まろやかな旨みが強調されたものになる」、とされる。
このことから煎茶でも「夏を越えたのが通の味」と言われているように見える。
だが、煎茶の場合、例えば「秋の口切り」で検索してみると分かるが、「零下30度で真空保管されたもの」が「秋の口切り」として売られていたりして、それだったら単に「新茶の保存」という意味合いのほうが強いのではないかという気もする。
良いものを秋に出すところが多いので、品質の良さが鮮度の劣化を上回っているという気がする。
(ちなみに、そのような批判に応えるべく、高地の蔵のような冷暗所で壷に入れて保管の上、秋以降に出してくるという煎茶も、ごく稀に存在する。これは確かに独特の円やかさを感じた。が、大部分のお茶はそうではない。)
また、新茶の味(作り方)は今昔でかなり違う(昔の新茶はもっと青々とした味であった)ので、秋まで寝かせる意味合いというのも今昔では全く違うはずなのだが、そういう文脈はどこへいってしまったのだろう?
- 煎茶と抹茶の文化を混同している
- 煎茶の作り方と保存法が今と昔で異なるのを無視している
- 「秋のお茶が通」という固定観念が先に来ている
という場合が多いように思えてならない。
秋に摘まれたお茶
また、上記のような「春に摘まれて秋に出てくるお茶」ではなく、「本当に秋に摘まれたお茶」ももちろん存在するが市場価値は低いのが現状である。
紅茶では秋に摘まれた「オータム・ナル」というものもあり一定の評価を得ているし、日本茶でも秋に摘まれたお茶を伝統的には「番茶」として飲んできたところも多々あるので、可能性はあるかもしれない。
お茶は米のような種ではなく葉っぱなので、春摘みのお茶しか飲まないことのほうが、歴史的には不自然と言えるだろう。
秋のお茶は「火香」に注意
品評会に出すようなお茶とは別に、秋に多くなるお茶がある。
それは、火入れを強くしているものだ。
「月見茶」のように銘打っているところもあったが、あるお茶屋さんでは同じ銘柄でも無言で秋・冬は火香を強くしていた。
そのお茶屋さんに問い合わせたら、「秋、冬は、火入れを強くしている」という回答をいただいた。
もちろん、品評会に入賞するような高級品には、お茶本来の味が分かりにくくなるので、そういうことはしない。
一般に「狭山火入れ」(強い火入れが特徴)という言葉があるが、狭山茶でも、品評会に出るようなものは、そうしたものとは全く別の作り方をしている。
寒い季節=強い火香というのも分かるが、例えば、火香が強い蒸し製緑茶だけではなく、釜炒り茶(釜香)をそういうシーンでの飲用に薦めてみてはいかがだろうか、と思う。
2011年10月9日日曜日
[番外編] 台湾・天圃茶荘の高山烏龍茶
自分が知る中ではとても美味しい凍頂烏龍茶である。
華やかな香りと上品な甘みがあり、高級品と感じさせる。
調べてみたところ、2008年の価格では150グラムで1200元(約4200円)だったとの記載をネットで見つけた。
また、「徐さんは自分の舌で味を確認するため、お酒も煙草も香辛料の入ったお料理も召し上がりません。ニンニクの入った美味しいお料理も食べられないんですよ。」ともある。
http://community.travel.yahoo.co.jp/mymemo/syakatou/buzz/21850.html
そういえば、神保町のティーハウス・タカノの高野さんも、味が濃すぎて珈琲が飲めないと仰っていた。
この天圃茶荘さんは、日本語のサイトをお持ちで、ブログで大震災のお見舞いを書いてくださったりしている。
http://blogs.yahoo.co.jp/tienpuutea2009
「阿里山茶葉男」を名乗っておられるので、この高山烏龍茶も阿里山のお茶なのかもしれない。
が、阿里山金萱のようなミルキーな感じではなく、花のような、より上品で華やかな味である。
ブランデーで言うならポール・ジローの35年!
台湾を訪れる際は是非お店を訪問してみたいものだ。
華やかな香りと上品な甘みがあり、高級品と感じさせる。
調べてみたところ、2008年の価格では150グラムで1200元(約4200円)だったとの記載をネットで見つけた。
また、「徐さんは自分の舌で味を確認するため、お酒も煙草も香辛料の入ったお料理も召し上がりません。ニンニクの入った美味しいお料理も食べられないんですよ。」ともある。
http://community.travel.yahoo.co.jp/mymemo/syakatou/buzz/21850.html
そういえば、神保町のティーハウス・タカノの高野さんも、味が濃すぎて珈琲が飲めないと仰っていた。
この天圃茶荘さんは、日本語のサイトをお持ちで、ブログで大震災のお見舞いを書いてくださったりしている。
http://blogs.yahoo.co.jp/tienpuutea2009
「阿里山茶葉男」を名乗っておられるので、この高山烏龍茶も阿里山のお茶なのかもしれない。
が、阿里山金萱のようなミルキーな感じではなく、花のような、より上品で華やかな味である。
ブランデーで言うならポール・ジローの35年!
台湾を訪れる際は是非お店を訪問してみたいものだ。
『お茶は世界をかけめぐる』高宇政光著、筑摩書房刊、2006年
煎茶の歴史が書かれた物としてこれを上回る内容のものを知らない。
社会学において、日本の伝統とされていたものが実は明治以降の近代に作られたという、「伝統の創出」という概念があるが、これを思い出した。
煎茶は、アメリカや北アフリカなど、その時代その時代の消費者に向け発展してきた経緯があり、江戸時代からある煎茶ではあるが、多くの日本人が日常的に飲むようになったのは、実は1960~1970年代あたりとさえ言える。それまでは番茶。
この考え方を骨子に、沢山の資料を駆使し、「日本茶の近代史を書き換えようという意気込みで」書かれたのが本書。
日本茶ファン必読の書。
2011年9月8日木曜日
茶舗 多与安 玉緑茶(蒸しグリ)と釜炒り茶
「玉緑茶」「蒸しグリ」で名高い茶処・嬉野を訪問する機会があり、宿の近くに美味しそうな店があったので購入してみた。
「茶舗 多与安」さんは、お店のすぐ裏が製茶場になっている。
店内には、茎茶(白折)や粉茶もあり、端物も粗末にしない、自家製茶ならではの品揃えに感銘を受けた。
100gあたり1,000円と1,500円の茶葉を見せていただいたところ、かなりの違いを感じた。
(ちなみに1,200円や1,000円未満も色々ありました)
1,500円のほうが緑が濃く、高級茶葉独特の繊細な香りがする。
味は、炒った香ばしさが控え目で、九州北部の高級茶葉の良さが引き出されている。八女にも通じる茶葉の味である。
見た目は、よく見る「玉緑茶」(蒸しグリ)に比べて、あまり丸まっていない。
「玉緑茶」にしては、見た目、味ともに、普通の煎茶に近い。
炒る工程が少なめなのかもしれない。
玉緑茶の1,000円のほうは、酸味もしくは香ばしさを感じるというか、ややワイルドな味であった。
むしろ味が面白かったのは釜炒茶のほうで(100g800円)、よくあるパサパサで老ねたような味とは別物で、お茶の味わいがしっかりしており、釜炒り独特の炒った味の奥に、滋味というか上品さを感じさせる味作り。
茶葉を見ると、玉緑茶よりは丸まっているが、一般の釜炒り茶よりも丸まりが控えめのように見える。
嬉野を訪れてみると、山間に茶畑や稲があり、あまり大規模化せず丁寧に作っていることを感じさせる。
嬉野の玉緑茶に開眼させられた思いである。
「茶舗 多与安」さんは、サイトで通販などはされていないようであるが、特に1,500円の玉緑茶と800円の釜炒り茶は、通販でも購入する価値があると感じたため、お願いしてみたところ、親切に対応いただき、届いたお茶の品質も変わらず素晴らしかった。
来年以降も折にふれて購入したい。
ふらっと訪れたお茶屋さんがここまで美味しかったりすると、お茶の奥深さにあらためて感動させられる。
ちなみに、泊まった旅館にも嬉野茶のコーナーがあり、販売員さんが立ち試飲もできるほど力の入れようだったが、包装ばかりきらびやかで味は・・・みやげ物によくある事そのものであった。
・嬉野の他のお店(たくさんあった)はどうなのか?
・全国の茶処に、このように隠れた実力店があるのか?(あるなら味わってみたい)
興味は尽きない。
「茶舗 多与安」さんは、お店のすぐ裏が製茶場になっている。
店内には、茎茶(白折)や粉茶もあり、端物も粗末にしない、自家製茶ならではの品揃えに感銘を受けた。
100gあたり1,000円と1,500円の茶葉を見せていただいたところ、かなりの違いを感じた。
(ちなみに1,200円や1,000円未満も色々ありました)
1,500円のほうが緑が濃く、高級茶葉独特の繊細な香りがする。
味は、炒った香ばしさが控え目で、九州北部の高級茶葉の良さが引き出されている。八女にも通じる茶葉の味である。
見た目は、よく見る「玉緑茶」(蒸しグリ)に比べて、あまり丸まっていない。
「玉緑茶」にしては、見た目、味ともに、普通の煎茶に近い。
炒る工程が少なめなのかもしれない。
玉緑茶の1,000円のほうは、酸味もしくは香ばしさを感じるというか、ややワイルドな味であった。
むしろ味が面白かったのは釜炒茶のほうで(100g800円)、よくあるパサパサで老ねたような味とは別物で、お茶の味わいがしっかりしており、釜炒り独特の炒った味の奥に、滋味というか上品さを感じさせる味作り。
茶葉を見ると、玉緑茶よりは丸まっているが、一般の釜炒り茶よりも丸まりが控えめのように見える。
嬉野を訪れてみると、山間に茶畑や稲があり、あまり大規模化せず丁寧に作っていることを感じさせる。
嬉野の玉緑茶に開眼させられた思いである。
「茶舗 多与安」さんは、サイトで通販などはされていないようであるが、特に1,500円の玉緑茶と800円の釜炒り茶は、通販でも購入する価値があると感じたため、お願いしてみたところ、親切に対応いただき、届いたお茶の品質も変わらず素晴らしかった。
来年以降も折にふれて購入したい。
ふらっと訪れたお茶屋さんがここまで美味しかったりすると、お茶の奥深さにあらためて感動させられる。
ちなみに、泊まった旅館にも嬉野茶のコーナーがあり、販売員さんが立ち試飲もできるほど力の入れようだったが、包装ばかりきらびやかで味は・・・みやげ物によくある事そのものであった。
・嬉野の他のお店(たくさんあった)はどうなのか?
・全国の茶処に、このように隠れた実力店があるのか?(あるなら味わってみたい)
興味は尽きない。
2011年8月5日金曜日
渋谷ながた 八女茶 1155円/100g
「渋谷ながた」さんは本店を鳥取に持ち、起源は江戸時代(享和元年=1801年)まで遡るらしい。
自社茶園による緑茶もあるが、他の産地のものも仕入れて扱っており、また東京店は東京店で仕入れをしているらしい。
歴史あるお店であるが、渋谷店、本店(サイト)ともに、比較的親しみやすい価格帯の商品が売れ筋のようである。
試飲させていただいた結果、八女を購入。
久々の深蒸し気味のお茶である。
深蒸しだが火香は強くはなく、濃い味の後ろに八女のふわっとした甘さ、良いお茶の繊細な香りがあり、少しだけ顔を出している。
島根の番茶を飲んでみたかったが、扱っていないとのことであった。
番茶は煎茶よりも遥かに地方性が豊かで、広義で「日常のお茶」という意味合い以外ほとんど定義不可能なほど幅広く、奥深い。
渋谷東急プラザ地下では根付きにくいかもしれないが、鳥取ならではのお茶を楽しむことができたらと思う。
2011年8月
自社茶園による緑茶もあるが、他の産地のものも仕入れて扱っており、また東京店は東京店で仕入れをしているらしい。
歴史あるお店であるが、渋谷店、本店(サイト)ともに、比較的親しみやすい価格帯の商品が売れ筋のようである。
試飲させていただいた結果、八女を購入。
久々の深蒸し気味のお茶である。
深蒸しだが火香は強くはなく、濃い味の後ろに八女のふわっとした甘さ、良いお茶の繊細な香りがあり、少しだけ顔を出している。
島根の番茶を飲んでみたかったが、扱っていないとのことであった。
番茶は煎茶よりも遥かに地方性が豊かで、広義で「日常のお茶」という意味合い以外ほとんど定義不可能なほど幅広く、奥深い。
渋谷東急プラザ地下では根付きにくいかもしれないが、鳥取ならではのお茶を楽しむことができたらと思う。
2011年8月
2011年7月25日月曜日
しもきた茶苑大山「生茶」¥630/100g
■「生茶」とは?
「生茶」というものに明確な定義は無いが、思月園さんやしもきた茶苑大山さんでは、荒茶を生茶というネーミングで販売している。
世間一般ではキリンビバレッジのペットボトルのものが知られているが、その「生茶(生茶葉)」はキリンの定義によると「摘んで4時間以内に、-30℃以下で保存した茶葉」とのことである。
が、思月園さんやしもきた茶苑大山さんの「生茶」が「摘んで4時間以内に、-30℃以下で保存」されているわけではないし、そんなことをしなくても、比べるのも愚かなくらい、本物のお茶屋さんのお茶のほうが旨いということを、念のために記しておく。
■荒茶
荒茶とは製茶の途中の段階のようなもので、完成品はこれに「火入れ」をしたり、茎や細かすぎる茶葉を省く「選別」をしたり、という過程が加わる。
また、水分量が完成品(最近はメディアで「製茶」と呼ばれている)が3パーセント程度なのに対し、荒茶は5~6パーセントくらいと言われている。
2、3パーセントの違いだが、開封後など、荒茶のほうが劣化が早いと言われている。
味は、色々な部位が混ざっているが、特に茎などの味が混ざっているのを感じる。
火入れがされていない(少ない?)分、青葉っぽい味が多い。
ただし、生茶として販売されている思月園さんの荒茶などは、茎がほとんどなく、ある程度の選別は行っていると思われるので、定義は本当にまちまちである。
■荒茶とセシウム検査の件、静岡県知事の川勝平太氏
とはいえ、このようにお茶屋さんでは荒茶が普通に流通しているし、スーパーでも「茶園が自分の家で飲むお茶」というような内容のコピーで荒茶を販売しているのを見ることもあるので、少なくとも、静岡県知事が「荒茶は半製品で、消費者が口にすることがない」という理由で検査を拒否していたというのは、全くもっておかしいことである。
また、茎が入り水分量が多い「荒茶」よりも、茎よりも芽に集中するであろうセシウムの特性や、水分量が少ないことからして、「荒茶」よりも「完成品」のほうがより高い数値になるだろうということは予測できる。
思うに、静岡県知事の川勝平太氏は、お茶をあまり知らずに、お茶業界(というより自分?)を擁護する目的で発言をしたのではないか。
しかし、どんな口上も、現実の前にはもろくも崩れ去る。
その後結局「荒茶」どころか「完成品」を検査するようになったという現実が全てを語っている。
川勝氏が先を見通す目に欠けていたという事実を雄弁に物語っている。
それは他人事ではない。
選ぶ人もそういう人々であるということだ。
静岡県民には、責任をもって有能な知事を選んでいただきたい。
■しもきた茶苑大山「生茶」¥630/100g
さて、しもきた茶苑大山「生茶」¥630/100gであるが、こちらは鹿児島のお茶だそうである。
思月園さんの「生茶」(¥1260/100g)に比べ、茎も普通に入っており、値段が違うだけ茶葉のグレードもずっと下がる。
しかし、それが飾らず親しみある味にもなっており、また、青臭い新茶とまではゆかないが、生っぽいぬるっとした味も残っている。
そして、管理の良さや茶葉を選ぶ目の良さは¥630/100gでも健在で、この値段では異例の美味しさといえる。
食事に合わせたりする普段使いのお茶にはもっていこいの、素晴らしいお茶だと思う。
2011年7月購入
「生茶」というものに明確な定義は無いが、思月園さんやしもきた茶苑大山さんでは、荒茶を生茶というネーミングで販売している。
世間一般ではキリンビバレッジのペットボトルのものが知られているが、その「生茶(生茶葉)」はキリンの定義によると「摘んで4時間以内に、-30℃以下で保存した茶葉」とのことである。
が、思月園さんやしもきた茶苑大山さんの「生茶」が「摘んで4時間以内に、-30℃以下で保存」されているわけではないし、そんなことをしなくても、比べるのも愚かなくらい、本物のお茶屋さんのお茶のほうが旨いということを、念のために記しておく。
■荒茶
荒茶とは製茶の途中の段階のようなもので、完成品はこれに「火入れ」をしたり、茎や細かすぎる茶葉を省く「選別」をしたり、という過程が加わる。
また、水分量が完成品(最近はメディアで「製茶」と呼ばれている)が3パーセント程度なのに対し、荒茶は5~6パーセントくらいと言われている。
2、3パーセントの違いだが、開封後など、荒茶のほうが劣化が早いと言われている。
味は、色々な部位が混ざっているが、特に茎などの味が混ざっているのを感じる。
火入れがされていない(少ない?)分、青葉っぽい味が多い。
ただし、生茶として販売されている思月園さんの荒茶などは、茎がほとんどなく、ある程度の選別は行っていると思われるので、定義は本当にまちまちである。
■荒茶とセシウム検査の件、静岡県知事の川勝平太氏
とはいえ、このようにお茶屋さんでは荒茶が普通に流通しているし、スーパーでも「茶園が自分の家で飲むお茶」というような内容のコピーで荒茶を販売しているのを見ることもあるので、少なくとも、静岡県知事が「荒茶は半製品で、消費者が口にすることがない」という理由で検査を拒否していたというのは、全くもっておかしいことである。
また、茎が入り水分量が多い「荒茶」よりも、茎よりも芽に集中するであろうセシウムの特性や、水分量が少ないことからして、「荒茶」よりも「完成品」のほうがより高い数値になるだろうということは予測できる。
思うに、静岡県知事の川勝平太氏は、お茶をあまり知らずに、お茶業界(というより自分?)を擁護する目的で発言をしたのではないか。
しかし、どんな口上も、現実の前にはもろくも崩れ去る。
その後結局「荒茶」どころか「完成品」を検査するようになったという現実が全てを語っている。
川勝氏が先を見通す目に欠けていたという事実を雄弁に物語っている。
それは他人事ではない。
選ぶ人もそういう人々であるということだ。
静岡県民には、責任をもって有能な知事を選んでいただきたい。
■しもきた茶苑大山「生茶」¥630/100g
さて、しもきた茶苑大山「生茶」¥630/100gであるが、こちらは鹿児島のお茶だそうである。
思月園さんの「生茶」(¥1260/100g)に比べ、茎も普通に入っており、値段が違うだけ茶葉のグレードもずっと下がる。
しかし、それが飾らず親しみある味にもなっており、また、青臭い新茶とまではゆかないが、生っぽいぬるっとした味も残っている。
そして、管理の良さや茶葉を選ぶ目の良さは¥630/100gでも健在で、この値段では異例の美味しさといえる。
食事に合わせたりする普段使いのお茶にはもっていこいの、素晴らしいお茶だと思う。
2011年7月購入
2011年7月18日月曜日
お茶とセシウムその後
■最悪な静岡県の対応
静岡では県知事が荒茶や完成品での検査を拒否していました。
あろうことか、検査されて出てきた都合の悪いデータの公表を差し止めようとしたりもしていました。
が、予想通り、検査したデータが世に出てきたりして、批判が起こり、今では県もデータを公表する流れにあります。
この健康軽視、情報隠蔽、定見の無さ、自己保身・・・静岡県の対応は、静岡茶、ひいては日本茶全体の心象を悪くするばかりで、下の下といえるものです。
日本で権力による情報規制の圧力をかけたりしている間に、フランスで規制値超えのセシウムが検出されたのが発表されたりして(誤報もありましたが)、「自浄能力に乏しく、外国からの事実の発表で動く」ということが白日の下に晒されるという、恥ずべき内容となっていしました。
中国や北朝鮮のことを笑えません。
「静岡のお茶は怖くて買えない」というより、「県の対応が腹立たしいから静岡茶は買わない」に変わりつつあります。
本当に残念なことです。
正直、静岡県の政治家や担当者は、静岡県民の税金で生活しているので、対応が悪くてお茶が売れなくても、彼らが静岡茶や日本茶の名を貶めても、大して給料が変わるわけでもないし、解雇も事実上無く、直接死活問題にはなりません。甘い対応になりがちです。
■民間レベルでは必死の検査が続く
県の対応が最低な一方、民間では必死の対応が続いています。
茶園独自での、検査機関への依頼が殺到、順番待ちになっている状況だそうです。
そして、「安全」(正確には、「規制値を下回ったこと」)の証明書をつけて販売する、ということも多く見られるそうです。
この場合、検査費用がかかり、その分のコストを全部販売価格に上乗せするわけにもゆかず、本当に大変なことなのです。
こういう必死の努力が行われていることを多くの人が知るべきだと思います。
■検査費用面での支援は絶対に必要
現状で、農家やお茶屋さんが自費で検査するのはかなりの負担となっています。
国、県、協会、東京電力のどの部分で行うべきかは分かりませんが、絶対に必要なことは、「検査費用の支援」です。
また、この国難のときなので、検査費用や検査機関を見直すことも必要かと思います。
検査機関は依頼が殺到して十分に儲かっているはずなので、災害への支援として、査収する検査費を見直すべきです。
また、セシウムの半減期は20年ということは、少なくとも今後20年は需要が続くわけなので、検査機関や検査可能な機械を増やすというのは、風評被害の軽減の効用という意味でも、非常に利益のあることだと言えます。
検査機械はある程度の値段がするかもしれませんが、買っただけのメリットは見込むことができますし、お茶以外にも使えるわけですから、皆が恩恵を受けることができます。
莫大な支援金を受け取った日本赤十字のお金を、こういうところに使っていただきたいところです。
■販売側の発信の改善を
販売者の方のTwitterやBLOGの発信の仕方にも問題があります。
「お茶は淹れればセシウムは減るから安全です」「国の基準値をクリアしているので安全です」という内容のつぶやきばかりが非常に多い。
しかしそれでは、静岡県の言ってきたことと区別がつきません。
・「国の基準値をクリアしているので安全です」について
国の基準値を下回ったから「安全」という証明(研究事例)はセシウムに関しては存在せず、あくまで「暫定基準値」でしかないのに、「安全」と書いてしまっている人が多すぎる。
もしその基準自体が間違っていたら、「国にだまされた」と言うつもりなのでしょうが、「安全」と言ってしまった人の責任もあるのです。
国のせいばかりにして良いわけではありません。
・「お茶は淹れればセシウムは減るから安全です」について
何より、正直言って、県が隠蔽工作を行っていた間も「お茶は淹れればセシウムは減るから安全です」ばかりリツイートしている業者が多すぎて、同じ穴の狢??と思ってしまったというのが、一消費者から見た率直な感想です。
むしろ、「県はしっかり情報公開してほしい!」ともっと訴えるべきでした。
また、茶葉の細かさや茶漉しの目の粗さによっても、セシウムの量は全然違ってきます。
「そんなに気を遣わなければいけないくらいなら、そもそも別のものを買う」というのが一般の人の感覚だと思いますので、この宣伝ばかり繰り返すのはあまり得策ではないと思われます。
むしろ、宣伝するなら、自主検査をしていることを言ったほうが良い。
そして、きちんとしかるべきところに検査の支援を訴えてゆくべきです。
静岡では県知事が荒茶や完成品での検査を拒否していました。
あろうことか、検査されて出てきた都合の悪いデータの公表を差し止めようとしたりもしていました。
が、予想通り、検査したデータが世に出てきたりして、批判が起こり、今では県もデータを公表する流れにあります。
この健康軽視、情報隠蔽、定見の無さ、自己保身・・・静岡県の対応は、静岡茶、ひいては日本茶全体の心象を悪くするばかりで、下の下といえるものです。
日本で権力による情報規制の圧力をかけたりしている間に、フランスで規制値超えのセシウムが検出されたのが発表されたりして(誤報もありましたが)、「自浄能力に乏しく、外国からの事実の発表で動く」ということが白日の下に晒されるという、恥ずべき内容となっていしました。
中国や北朝鮮のことを笑えません。
「静岡のお茶は怖くて買えない」というより、「県の対応が腹立たしいから静岡茶は買わない」に変わりつつあります。
本当に残念なことです。
正直、静岡県の政治家や担当者は、静岡県民の税金で生活しているので、対応が悪くてお茶が売れなくても、彼らが静岡茶や日本茶の名を貶めても、大して給料が変わるわけでもないし、解雇も事実上無く、直接死活問題にはなりません。甘い対応になりがちです。
■民間レベルでは必死の検査が続く
県の対応が最低な一方、民間では必死の対応が続いています。
茶園独自での、検査機関への依頼が殺到、順番待ちになっている状況だそうです。
そして、「安全」(正確には、「規制値を下回ったこと」)の証明書をつけて販売する、ということも多く見られるそうです。
この場合、検査費用がかかり、その分のコストを全部販売価格に上乗せするわけにもゆかず、本当に大変なことなのです。
こういう必死の努力が行われていることを多くの人が知るべきだと思います。
■検査費用面での支援は絶対に必要
現状で、農家やお茶屋さんが自費で検査するのはかなりの負担となっています。
国、県、協会、東京電力のどの部分で行うべきかは分かりませんが、絶対に必要なことは、「検査費用の支援」です。
また、この国難のときなので、検査費用や検査機関を見直すことも必要かと思います。
検査機関は依頼が殺到して十分に儲かっているはずなので、災害への支援として、査収する検査費を見直すべきです。
また、セシウムの半減期は20年ということは、少なくとも今後20年は需要が続くわけなので、検査機関や検査可能な機械を増やすというのは、風評被害の軽減の効用という意味でも、非常に利益のあることだと言えます。
検査機械はある程度の値段がするかもしれませんが、買っただけのメリットは見込むことができますし、お茶以外にも使えるわけですから、皆が恩恵を受けることができます。
莫大な支援金を受け取った日本赤十字のお金を、こういうところに使っていただきたいところです。
■販売側の発信の改善を
販売者の方のTwitterやBLOGの発信の仕方にも問題があります。
「お茶は淹れればセシウムは減るから安全です」「国の基準値をクリアしているので安全です」という内容のつぶやきばかりが非常に多い。
しかしそれでは、静岡県の言ってきたことと区別がつきません。
・「国の基準値をクリアしているので安全です」について
国の基準値を下回ったから「安全」という証明(研究事例)はセシウムに関しては存在せず、あくまで「暫定基準値」でしかないのに、「安全」と書いてしまっている人が多すぎる。
もしその基準自体が間違っていたら、「国にだまされた」と言うつもりなのでしょうが、「安全」と言ってしまった人の責任もあるのです。
国のせいばかりにして良いわけではありません。
・「お茶は淹れればセシウムは減るから安全です」について
何より、正直言って、県が隠蔽工作を行っていた間も「お茶は淹れればセシウムは減るから安全です」ばかりリツイートしている業者が多すぎて、同じ穴の狢??と思ってしまったというのが、一消費者から見た率直な感想です。
むしろ、「県はしっかり情報公開してほしい!」ともっと訴えるべきでした。
また、茶葉の細かさや茶漉しの目の粗さによっても、セシウムの量は全然違ってきます。
「そんなに気を遣わなければいけないくらいなら、そもそも別のものを買う」というのが一般の人の感覚だと思いますので、この宣伝ばかり繰り返すのはあまり得策ではないと思われます。
むしろ、宣伝するなら、自主検査をしていることを言ったほうが良い。
そして、きちんとしかるべきところに検査の支援を訴えてゆくべきです。
しもきた茶苑大山「沢の誉」¥1,260/100g
ネットで茶師十段の店という触れ込みに出会った。
十段は日本でも数人しかいないらしい。
以前、某区で七段のお茶屋さんにいって飲ませていただいたことがあるが、甘みがかき消されるほどに苦く(濃く)て、ああお茶屋さんが好きそうなあれね・・・という味であった。
他方、こちらのしもきた茶苑大山さんでは、下北沢という立地もあってか、それとも夏だからか、薄く淹れて下さった。
段位と味の志向はまた別のところにあるのかもしれない。
こちらは茶師十段ということをフルに活かして、お店独自のブレンド商品がかなりの割合を占めていた。
鹿児島と宇治のブレンド(普通蒸し)が気になったので購入してみた。
名を「沢の誉」という。
ちょうど現在話題の女子サッカー選手のような名前である。
茶葉を見ると、高級な茶葉と安い部位が不思議な混ざり方をしていて、驚いた。いかにも混ぜましたという感じだ。
この不思議な混ざり方のため、茶葉の部位によって味の出る時間が異なり、淹れるのが少し難しかった。
しかし、封を開けた瞬間、高級な茶葉だけが持つ香りがプンとしてきた。
品質の高さと行き届いた管理を感じさせる。
淹れて飲んでみると、高級茶の繊細な柔らかさと鼻から抜けるフルーティーさを持っている。
そして安い部位も入っているせいか、甘みの爆発はしすぎない、上品な味である。
ただ、飲んでいるうちに、火香が気になるようになってきた。
こちらでは産地と蒸し方は記載されているのだが、品種の記載は見かけなかった。
自分が購入したものは宇治、鹿児島とも「やぶきた」だそうである。
2011年7月購入
十段は日本でも数人しかいないらしい。
以前、某区で七段のお茶屋さんにいって飲ませていただいたことがあるが、甘みがかき消されるほどに苦く(濃く)て、ああお茶屋さんが好きそうなあれね・・・という味であった。
他方、こちらのしもきた茶苑大山さんでは、下北沢という立地もあってか、それとも夏だからか、薄く淹れて下さった。
段位と味の志向はまた別のところにあるのかもしれない。
こちらは茶師十段ということをフルに活かして、お店独自のブレンド商品がかなりの割合を占めていた。
鹿児島と宇治のブレンド(普通蒸し)が気になったので購入してみた。
名を「沢の誉」という。
ちょうど現在話題の女子サッカー選手のような名前である。
茶葉を見ると、高級な茶葉と安い部位が不思議な混ざり方をしていて、驚いた。いかにも混ぜましたという感じだ。
この不思議な混ざり方のため、茶葉の部位によって味の出る時間が異なり、淹れるのが少し難しかった。
しかし、封を開けた瞬間、高級な茶葉だけが持つ香りがプンとしてきた。
品質の高さと行き届いた管理を感じさせる。
淹れて飲んでみると、高級茶の繊細な柔らかさと鼻から抜けるフルーティーさを持っている。
そして安い部位も入っているせいか、甘みの爆発はしすぎない、上品な味である。
ただ、飲んでいるうちに、火香が気になるようになってきた。
こちらでは産地と蒸し方は記載されているのだが、品種の記載は見かけなかった。
自分が購入したものは宇治、鹿児島とも「やぶきた」だそうである。
2011年7月購入
2011年7月4日月曜日
番外編 紅茶 ネパール
新宿高野本店の紅茶売場が縮小してしまったので、代わりを探していたところ、リーフルの支店が新宿伊勢丹にできていた。名をNAVARASAと言うらしい。
リーフルは東京の紅茶好きには名の知られた名店だが、10年ぐらい前は吉祥寺の本店しかなかったと思うが、紅茶への入れ込みが世に認められたのか、サイトを見ると今や6店舗あるらしい。
そして新宿伊勢丹はこういうのをキャッチするアンテナの張り方がとても上手だ。
そのリーフル(NAVARASA)に足を運んでみると、店員さん(リーフルから来ている)が滅法茶に詳しく、そして扱っている茶葉も、「高価にして高品質」で、まさに日本のトップ・デパートだと思う。
一例を挙げるなら、マーガレットホープ茶園という、ダージリンでは名を知られた茶園があるが、なんとその茶園の一区画が現在、伊勢丹専用区画として契約になっているらしく、厳しく管理された茶葉を手もみした最高のものが伊勢丹限定として入荷していた。
茶葉を見ただけでも、高級の極みという姿をしていた。
購入したのは、ネパールの茶葉のファースト・フラッシュ。
ネパールの茶葉というのも非常に珍しい。
地理的に言うとインドのダージリンのすぐ隣になるのだそうだ。
そして標高2000mとあり、ダージリンも1200mぐらいのところなどあり、更に標高が高い。
ただ、100歳以上の樹も珍しくないダージリンに比べ、こちらはうろ覚えだが30~50歳と言っていただろうか、まだ若い茶葉である。
そして、集荷のシステムが違うらしく、ネパールの場合、色々な作り手が積んだ茶葉が回収され、一つの製茶工場に運ばれるといった仕組みなのだそうだ。
茶園や作り手単位でのビジネスがダージリンほどには発達していないということだろうか。
茶葉は中国種、味はダージリンで、マスカットの香りがある。
ただ、「若い樹は滋味が少ない」というような言い方をするらしいが、そのせいか、少しまろやかで、高地の割にツンとした神経質な香りが少ない。
価格は25gで1,050円。
100g4,200円出したら、いったいどんな高級な日本茶が買えるだろうかと思ってしまう。
リーフルは東京の紅茶好きには名の知られた名店だが、10年ぐらい前は吉祥寺の本店しかなかったと思うが、紅茶への入れ込みが世に認められたのか、サイトを見ると今や6店舗あるらしい。
そして新宿伊勢丹はこういうのをキャッチするアンテナの張り方がとても上手だ。
そのリーフル(NAVARASA)に足を運んでみると、店員さん(リーフルから来ている)が滅法茶に詳しく、そして扱っている茶葉も、「高価にして高品質」で、まさに日本のトップ・デパートだと思う。
一例を挙げるなら、マーガレットホープ茶園という、ダージリンでは名を知られた茶園があるが、なんとその茶園の一区画が現在、伊勢丹専用区画として契約になっているらしく、厳しく管理された茶葉を手もみした最高のものが伊勢丹限定として入荷していた。
茶葉を見ただけでも、高級の極みという姿をしていた。
購入したのは、ネパールの茶葉のファースト・フラッシュ。
ネパールの茶葉というのも非常に珍しい。
地理的に言うとインドのダージリンのすぐ隣になるのだそうだ。
そして標高2000mとあり、ダージリンも1200mぐらいのところなどあり、更に標高が高い。
ただ、100歳以上の樹も珍しくないダージリンに比べ、こちらはうろ覚えだが30~50歳と言っていただろうか、まだ若い茶葉である。
そして、集荷のシステムが違うらしく、ネパールの場合、色々な作り手が積んだ茶葉が回収され、一つの製茶工場に運ばれるといった仕組みなのだそうだ。
茶園や作り手単位でのビジネスがダージリンほどには発達していないということだろうか。
茶葉は中国種、味はダージリンで、マスカットの香りがある。
ただ、「若い樹は滋味が少ない」というような言い方をするらしいが、そのせいか、少しまろやかで、高地の割にツンとした神経質な香りが少ない。
価格は25gで1,050円。
100g4,200円出したら、いったいどんな高級な日本茶が買えるだろうかと思ってしまう。
京都府宇治市産 やぶきた普通蒸し
2011年7月 思月園にて購入 1,260円/100g
宇治はどこまでも宇治である。
煎茶最高のブランドなので、茶葉を見ると、同じ値段だと他の産地よりも質が低い。
なので、甘味や旨み成分が少ない。
そして、控えめな火香。
昔は宇治と名乗っていたが今はそれができなくなった滋賀県産のほうが遥かにお買い得である。
セシウムの問題で、店主が落ち込んでおられた。
静岡の入札が中止になったりしたあおりで、西で行われる入札で、適正価格で落札できるかを心配しておられた。
売れないとか、人間関係の愚痴ではない。
一線の人間の悩みは、どこまでもこんな悩みである。
悩みは、茶を適価で入手し提供することでができるかどうか。
仕事に対する矜持に、気が引き締まる思いだ。
宇治はどこまでも宇治である。
煎茶最高のブランドなので、茶葉を見ると、同じ値段だと他の産地よりも質が低い。
なので、甘味や旨み成分が少ない。
そして、控えめな火香。
昔は宇治と名乗っていたが今はそれができなくなった滋賀県産のほうが遥かにお買い得である。
セシウムの問題で、店主が落ち込んでおられた。
静岡の入札が中止になったりしたあおりで、西で行われる入札で、適正価格で落札できるかを心配しておられた。
売れないとか、人間関係の愚痴ではない。
一線の人間の悩みは、どこまでもこんな悩みである。
悩みは、茶を適価で入手し提供することでができるかどうか。
仕事に対する矜持に、気が引き締まる思いだ。
2011年5月23日月曜日
セシウムの公表状況がおかしい
足柄茶からのセシウム検出を受け、他の産地でもデータが出てきました。
ただ、いくつか、かなりおかしい点があります。
もともと、セシウムが話題になったのは、「生葉」の状態です。
これのほかに、大きく分けて、精製した「製茶」、お湯に出した「抽出液」の状態が考えられます。
※
精製した完成品を「製茶」と呼ぶのはおかしいと思います。
本来はお茶を製造・加工することを「製茶」と呼ぶように思います。
が、メディアで完成品を「製茶」と呼んでいるのが多かったので、今回は完成品を「製茶」と呼んで記することにいたします。
(1)「製茶」での数値公表を拒否(静岡、神奈川、埼玉)
実際に売られる茶葉は、「生葉」を乾燥などして精製しますが、その過程で更にセシウムは凝縮されるといわれています。
一説によると5倍前後とか。
したがって「生葉」で規制値越えかぎりぎりくらいのものだと、それを「製茶」にしたら、出荷できないものが続出することが予想されます。
そのため、厚生労働省は「荒茶」(精製の初期段階のようなもの)の検査とその値の公表を求めていますが、拒否する地域が続出。
静岡、神奈川、埼玉などが拒否しています。
たとえば、お菓子メーカーが、原材料のカカオの検査はOKだけれど、実際のお菓子の検査は拒否する、と言っているようなものです。
話にならないと思います。
(2)「抽出」の仕方がおかしい
お茶を作って飲まれるまでの順序としては、
生葉→荒茶→製茶(一般に売られている煎茶など)→お湯で出して飲む
という経路を辿ります。
しかし、たとえば狭山茶(埼玉)などの記事を読むと、
「これらの生茶葉を乾燥させて湯に入れ、抽出した飲用茶からはセシウム、ヨウ素いずれも検出されなかった。」(産経新聞、5月14日)
とあります。
つまり、この報道が正しいとすれば、一般に売られている煎茶の精製過程を経ていないものを検査しているということになります。
生葉を単に乾燥させてお湯に入れている。
※ただ、産経新聞の担当者が工程を理解していないだけ、という場合もあり得ます。
お茶業界関係者が「お湯で出すと全く問題ない数値」と言っていますが、実際のところ実験方法がフェアとは言えないので、信憑性が低い。
たとえば、普通に売っている煎茶を急須で入れたら、細かい茶葉がお湯にたくさん出ます。
関東で流行っている深蒸しなどは特に茶葉が細かいので、そういう傾向が強い。
しかし、やり方によっては、そんなに細かい茶葉がお湯に出ないように淹れることもできるので、実際に飲まれるお茶の「抽出」と、実験の「抽出」とでは、全く違ったものにもなり得ます。
少なくとも、茶葉の細かさや茶漉しに関する情報が無い。
それを、「抽出」という言葉を一人歩きさせて混同させるという手法を用いて、「お湯で出すと全く問題ない数値」と言っているだけに見えます。
(3)数値がおかしい
足柄など、いくつかの自治体を見てみると、「生葉」の値の5%前後のセシウムが「抽出」(お湯の入ったお茶)から検出されていることが多かったのですが、埼玉の値だけ、「生葉」は基準値をぎりぎり下回っていて、「抽出液」は全てゼロでした。
埼玉だけ、お湯にいれるとセシウムが消えるのでしょうか。
そんなはずはありませんよね。
おそらく(2)のように、抽出方法が違うのでしょう。
粉が入らないように、これでもかというくらい細かい茶漉しを通しているかもしれません。
以上、(1)(2)(3)のように、おかしい点が非常に多い。
これでどういうことが起こるか。
一つは、気づいた人たちが日本茶業界に不信感や嫌悪感を抱き、お茶離れにつながることでしょうね。
実際、かなりのお茶ファンである私も、きちんと公表しない地域のお茶は怖くて買えません(公表している産地のお茶は購入するつもりですが)。
目先のごまかしのために、今後数十年の顧客を失っている。そのようなことをしていたらお茶の未来は暗いといえるでしょう。
そもそも、お茶生産者は被害者なのに、なぜ隠蔽しようとするのでしょうか。堂々と数値を公表し、東京電力に賠償を請求するべきです。
隠蔽してまで国民に危険なものを売ろうとしているために、お茶業界が国民から加害者とみなされつつあるのを見るのは悲しい限りです。
もう一つは、お茶をはじめ農作物、畜産物でこのようなごまかしが多いと、何が入っているか分からない「外食」から足が遠のくことになります。
実際外食業界は壊滅的な被害を受けています。
外食産業は、自分たちのためにも、もっとデータの公表を訴えるべきでしょう。
単純な話、厚生労働省などが、「狭山茶」「静岡茶」などとして売られている今年の煎茶を購入して、煎茶の状態と、お湯にいれたとき(「抽出」)の状態の数値を検査すればよいのに、なぜやらないのでしょう。
いや、それを行う団体がほどなくして出てくるでしょう。
そして、お茶業界の出した数値との違いに大きな批判が起こったとき、お茶業界は国民から完全に加害者とみなされるでしょう。
そうなる前に、自らしっかり情報を出して、加害者にならないでほしいものです。
ただ、いくつか、かなりおかしい点があります。
もともと、セシウムが話題になったのは、「生葉」の状態です。
これのほかに、大きく分けて、精製した「製茶」、お湯に出した「抽出液」の状態が考えられます。
※
精製した完成品を「製茶」と呼ぶのはおかしいと思います。
本来はお茶を製造・加工することを「製茶」と呼ぶように思います。
が、メディアで完成品を「製茶」と呼んでいるのが多かったので、今回は完成品を「製茶」と呼んで記することにいたします。
(1)「製茶」での数値公表を拒否(静岡、神奈川、埼玉)
実際に売られる茶葉は、「生葉」を乾燥などして精製しますが、その過程で更にセシウムは凝縮されるといわれています。
一説によると5倍前後とか。
したがって「生葉」で規制値越えかぎりぎりくらいのものだと、それを「製茶」にしたら、出荷できないものが続出することが予想されます。
そのため、厚生労働省は「荒茶」(精製の初期段階のようなもの)の検査とその値の公表を求めていますが、拒否する地域が続出。
静岡、神奈川、埼玉などが拒否しています。
たとえば、お菓子メーカーが、原材料のカカオの検査はOKだけれど、実際のお菓子の検査は拒否する、と言っているようなものです。
話にならないと思います。
(2)「抽出」の仕方がおかしい
お茶を作って飲まれるまでの順序としては、
生葉→荒茶→製茶(一般に売られている煎茶など)→お湯で出して飲む
という経路を辿ります。
しかし、たとえば狭山茶(埼玉)などの記事を読むと、
「これらの生茶葉を乾燥させて湯に入れ、抽出した飲用茶からはセシウム、ヨウ素いずれも検出されなかった。」(産経新聞、5月14日)
とあります。
つまり、この報道が正しいとすれば、一般に売られている煎茶の精製過程を経ていないものを検査しているということになります。
生葉を単に乾燥させてお湯に入れている。
※ただ、産経新聞の担当者が工程を理解していないだけ、という場合もあり得ます。
お茶業界関係者が「お湯で出すと全く問題ない数値」と言っていますが、実際のところ実験方法がフェアとは言えないので、信憑性が低い。
たとえば、普通に売っている煎茶を急須で入れたら、細かい茶葉がお湯にたくさん出ます。
関東で流行っている深蒸しなどは特に茶葉が細かいので、そういう傾向が強い。
しかし、やり方によっては、そんなに細かい茶葉がお湯に出ないように淹れることもできるので、実際に飲まれるお茶の「抽出」と、実験の「抽出」とでは、全く違ったものにもなり得ます。
少なくとも、茶葉の細かさや茶漉しに関する情報が無い。
それを、「抽出」という言葉を一人歩きさせて混同させるという手法を用いて、「お湯で出すと全く問題ない数値」と言っているだけに見えます。
(3)数値がおかしい
足柄など、いくつかの自治体を見てみると、「生葉」の値の5%前後のセシウムが「抽出」(お湯の入ったお茶)から検出されていることが多かったのですが、埼玉の値だけ、「生葉」は基準値をぎりぎり下回っていて、「抽出液」は全てゼロでした。
埼玉だけ、お湯にいれるとセシウムが消えるのでしょうか。
そんなはずはありませんよね。
おそらく(2)のように、抽出方法が違うのでしょう。
粉が入らないように、これでもかというくらい細かい茶漉しを通しているかもしれません。
以上、(1)(2)(3)のように、おかしい点が非常に多い。
これでどういうことが起こるか。
一つは、気づいた人たちが日本茶業界に不信感や嫌悪感を抱き、お茶離れにつながることでしょうね。
実際、かなりのお茶ファンである私も、きちんと公表しない地域のお茶は怖くて買えません(公表している産地のお茶は購入するつもりですが)。
目先のごまかしのために、今後数十年の顧客を失っている。そのようなことをしていたらお茶の未来は暗いといえるでしょう。
そもそも、お茶生産者は被害者なのに、なぜ隠蔽しようとするのでしょうか。堂々と数値を公表し、東京電力に賠償を請求するべきです。
隠蔽してまで国民に危険なものを売ろうとしているために、お茶業界が国民から加害者とみなされつつあるのを見るのは悲しい限りです。
もう一つは、お茶をはじめ農作物、畜産物でこのようなごまかしが多いと、何が入っているか分からない「外食」から足が遠のくことになります。
実際外食業界は壊滅的な被害を受けています。
外食産業は、自分たちのためにも、もっとデータの公表を訴えるべきでしょう。
単純な話、厚生労働省などが、「狭山茶」「静岡茶」などとして売られている今年の煎茶を購入して、煎茶の状態と、お湯にいれたとき(「抽出」)の状態の数値を検査すればよいのに、なぜやらないのでしょう。
いや、それを行う団体がほどなくして出てくるでしょう。
そして、お茶業界の出した数値との違いに大きな批判が起こったとき、お茶業界は国民から完全に加害者とみなされるでしょう。
そうなる前に、自らしっかり情報を出して、加害者にならないでほしいものです。
2011年5月14日土曜日
足柄茶から基準値越えセシウム検出
足柄(神奈川)の茶葉から基準値越えのセシウムが検出されたとニュースになっております。
いくつか論点を書きたいと思います。
1.他の産地は大丈夫?
足柄は偉いと思います。自主的に検査を行い、基準値越えしたものは早々に出荷停止措置を取りました。
みんなが気になっているのは、他の産地はどうかということでしょう。
足柄は神奈川でも南にあり、もうすぐ静岡県という地区です。
日本最大の緑茶産地である静岡はどうなのか?
より北=福島寄りである埼玉の狭山茶はどうなのか?
さらに、チェルノブイリのときも地球を2周して放射性物質が降ってきた、という話もありますので、日本全国のお茶を検査してほしいものです。
2.煎茶にすると、そしてお湯で淹れるとどうなるのか?
足柄で基準値越えしたのは生葉です。
煎茶にして飲むと、セシウムの量はかなり減るというデータもあるとか。
ただ、平常時にセシウムでそんな実証実験を十分にやっているとは考えにくいものです。
是非、データを取り直して早急に発表してほしいと思います。
たぶん、放射性物質は減ると思いますので、その場合は、必要以上の風評被害を防止することにもつながります。
煎茶にした状態と、お湯に出してお茶を入れた状態のデータが必要です。
特に、お湯に出すときの濃さは、人によってかなり違いがあり、お茶屋さんなど業界関係者は一般に比べてとても濃く出す傾向があります。
ここは公正に、業界関係者が出すような濃さできちんと検査してほしいところです。
また、普通蒸しと深蒸しでも違うことでしょう。
3.他の農産物はどうなのか?
本ブログのテーマ外とはなりますが、人として勿論、お茶以外の農産物もできる限り検査してほしい、という気持ちがあります。
お茶の新芽には特に溜まりやすいという記事もありました。
野菜は、葉、芽、根、種など、我々はものによって摂取している部分が違いますよね。
きちんとデータを取ることで、どういう食物のどういう部分をとったら良いのか、だいたい判ってくるでしょう。
4.基準値の設定はどうなのか?
これもずいぶん話題になってきたことだと思いますが、そもそも基準値の設定がどうなのか、絶えず見直してほしいと思います。
国際的に見て甘いという意見などもいろいろあります。
今回のニュースでいえば、足柄茶も、「基準値」を下回ったものは出荷をやめないとのことです。
水と同様に、年齢によっても「基準」は変わってくるでしょう。
いくつか論点を書きたいと思います。
1.他の産地は大丈夫?
足柄は偉いと思います。自主的に検査を行い、基準値越えしたものは早々に出荷停止措置を取りました。
みんなが気になっているのは、他の産地はどうかということでしょう。
足柄は神奈川でも南にあり、もうすぐ静岡県という地区です。
日本最大の緑茶産地である静岡はどうなのか?
より北=福島寄りである埼玉の狭山茶はどうなのか?
さらに、チェルノブイリのときも地球を2周して放射性物質が降ってきた、という話もありますので、日本全国のお茶を検査してほしいものです。
2.煎茶にすると、そしてお湯で淹れるとどうなるのか?
足柄で基準値越えしたのは生葉です。
煎茶にして飲むと、セシウムの量はかなり減るというデータもあるとか。
ただ、平常時にセシウムでそんな実証実験を十分にやっているとは考えにくいものです。
是非、データを取り直して早急に発表してほしいと思います。
たぶん、放射性物質は減ると思いますので、その場合は、必要以上の風評被害を防止することにもつながります。
煎茶にした状態と、お湯に出してお茶を入れた状態のデータが必要です。
特に、お湯に出すときの濃さは、人によってかなり違いがあり、お茶屋さんなど業界関係者は一般に比べてとても濃く出す傾向があります。
ここは公正に、業界関係者が出すような濃さできちんと検査してほしいところです。
また、普通蒸しと深蒸しでも違うことでしょう。
3.他の農産物はどうなのか?
本ブログのテーマ外とはなりますが、人として勿論、お茶以外の農産物もできる限り検査してほしい、という気持ちがあります。
お茶の新芽には特に溜まりやすいという記事もありました。
野菜は、葉、芽、根、種など、我々はものによって摂取している部分が違いますよね。
きちんとデータを取ることで、どういう食物のどういう部分をとったら良いのか、だいたい判ってくるでしょう。
4.基準値の設定はどうなのか?
これもずいぶん話題になってきたことだと思いますが、そもそも基準値の設定がどうなのか、絶えず見直してほしいと思います。
国際的に見て甘いという意見などもいろいろあります。
今回のニュースでいえば、足柄茶も、「基準値」を下回ったものは出荷をやめないとのことです。
水と同様に、年齢によっても「基準」は変わってくるでしょう。
2011年5月2日月曜日
東京の水
京都・大阪・奈良にいっていろいろ味わったところ、私が住んでいる某東京都内に比べて水が柔らかい!という体験を何度かした。
そこで東京の水について少々記してみたい。
東京=硬水=深蒸しについて
よく深蒸しにする理由として、東京の水は硬いから、というのを聞く。
でも東京の水でも普通蒸しのほうが好きな自分にとってはこの文句は当てはまらない。
さすがに東京と大阪の水の硬度の違いよりも、深蒸しと普通蒸しの違いのほうが遥かに大きいと思う。
欧米化した食文化=深蒸しについて
「西洋化した食生活だから深蒸し」という考え方もある。
この考え方は「写真が出てきたから絵もそれに対抗して精密に描かなければいけない」というのに似ている。
しかし、実際は、写真の登場によって絵は精密になるどころか、よりデフォルメされていった。
それまで持っていた写実性の役割を写真に譲って、より絵独自の生きる道を開拓する方向に時代は進んでいった。
お茶も、煎茶が煎茶という狭い枠内で深蒸しにして合わせても、所詮、珈琲や紅茶やプーアル茶の濃さには勝てないし、自分としては別にそこで「勝つ」ことが勝利とも思わない。
東京の水系について
別のブログを見るところによると、東京の水は3つに大別できる。
(1)多摩川水系
(2)荒川水系
(3)江戸川・利根川水系
である。
断然おいしいのは(1)なのだそうだ。
それには理由があり、(2)は埼玉、(3)は千葉・茨城方面を水源とし、他県にまたがっているのに対し、(1)は水源が東京(と山梨の境?)で、東京都が水源の山から管理しているため、断然美味しいとのことである。
他方、昔からまずいことで知られていたのが(3)のようだ。
Wikipediaで「金町浄水場」(江戸川)を検索すると「1984年には当時の厚生省が発足させた「おいしい水研究会」に「日本一まずい水道水」と評される」とある。
そして、乳児が摂取する基準値以上の放射性ヨウ素が検出されたのも(3)で、さらに上流(茨城に近い)の千葉県では測定値を公表するのを1週間以上遅らせたため、千葉県柏市在住の方の母乳からかなりの数値の放射性ヨウ素が検出されたりした。
千葉県担当者の隠蔽は多くの乳幼児を殺そうとしているに等しい行為だと思うのだが。
この件で、担当者は処分されただろうか?
東京の水道管
埼玉県某所の水道水よりも、東京都の水道水のほうが美味しいという体験をしたこともある。
田舎の埼玉のほうが美味しいはずなのだが、少し苔臭いというかドブの臭いが混ざっていた。
ある人に聞くところによると、東京は水道管に非常にお金をかけているため、他県よりも水道水が美味しい場合が多いのだそうだ。
水の美味しさには、単に「水系」という以外にも、非常に色々な要素がある。
もちろん「埼玉」「東京」といっても、蛇口毎に千差万別というところだろう。
近畿の水系は?
東京でも大きく3つの水系があるように、近畿地方でも、場所により水系が大きく異なるというのは想像に難くない。
京都の料亭などが、山から水を汲みに行く日常・・・のイメージがある一方で、大阪の一部では東京の金町浄水場のように、まずい水道水として悪名高くなってしまったものもあるようだ。
硬度はもちろんのこと、一括して「関西の水が」と語るのは愚かなことであろう。
機会があれば勉強してみたいところだ。
そこで東京の水について少々記してみたい。
東京=硬水=深蒸しについて
よく深蒸しにする理由として、東京の水は硬いから、というのを聞く。
でも東京の水でも普通蒸しのほうが好きな自分にとってはこの文句は当てはまらない。
さすがに東京と大阪の水の硬度の違いよりも、深蒸しと普通蒸しの違いのほうが遥かに大きいと思う。
欧米化した食文化=深蒸しについて
「西洋化した食生活だから深蒸し」という考え方もある。
この考え方は「写真が出てきたから絵もそれに対抗して精密に描かなければいけない」というのに似ている。
しかし、実際は、写真の登場によって絵は精密になるどころか、よりデフォルメされていった。
それまで持っていた写実性の役割を写真に譲って、より絵独自の生きる道を開拓する方向に時代は進んでいった。
お茶も、煎茶が煎茶という狭い枠内で深蒸しにして合わせても、所詮、珈琲や紅茶やプーアル茶の濃さには勝てないし、自分としては別にそこで「勝つ」ことが勝利とも思わない。
東京の水系について
別のブログを見るところによると、東京の水は3つに大別できる。
(1)多摩川水系
(2)荒川水系
(3)江戸川・利根川水系
である。
断然おいしいのは(1)なのだそうだ。
それには理由があり、(2)は埼玉、(3)は千葉・茨城方面を水源とし、他県にまたがっているのに対し、(1)は水源が東京(と山梨の境?)で、東京都が水源の山から管理しているため、断然美味しいとのことである。
他方、昔からまずいことで知られていたのが(3)のようだ。
Wikipediaで「金町浄水場」(江戸川)を検索すると「1984年には当時の厚生省が発足させた「おいしい水研究会」に「日本一まずい水道水」と評される」とある。
そして、乳児が摂取する基準値以上の放射性ヨウ素が検出されたのも(3)で、さらに上流(茨城に近い)の千葉県では測定値を公表するのを1週間以上遅らせたため、千葉県柏市在住の方の母乳からかなりの数値の放射性ヨウ素が検出されたりした。
千葉県担当者の隠蔽は多くの乳幼児を殺そうとしているに等しい行為だと思うのだが。
この件で、担当者は処分されただろうか?
東京の水道管
埼玉県某所の水道水よりも、東京都の水道水のほうが美味しいという体験をしたこともある。
田舎の埼玉のほうが美味しいはずなのだが、少し苔臭いというかドブの臭いが混ざっていた。
ある人に聞くところによると、東京は水道管に非常にお金をかけているため、他県よりも水道水が美味しい場合が多いのだそうだ。
水の美味しさには、単に「水系」という以外にも、非常に色々な要素がある。
もちろん「埼玉」「東京」といっても、蛇口毎に千差万別というところだろう。
近畿の水系は?
東京でも大きく3つの水系があるように、近畿地方でも、場所により水系が大きく異なるというのは想像に難くない。
京都の料亭などが、山から水を汲みに行く日常・・・のイメージがある一方で、大阪の一部では東京の金町浄水場のように、まずい水道水として悪名高くなってしまったものもあるようだ。
硬度はもちろんのこと、一括して「関西の水が」と語るのは愚かなことであろう。
機会があれば勉強してみたいところだ。
後の江製茶 2011年新茶サンプル
サンプルを頂いた。
思っていたよりも火香あり。そして蒸しも深めか。
茶葉を見ると色が黒い艶少なくやや黄味がかっている。
この一年で煎茶の勉強がかなり進んだ自分の基準が変わってしまったのか。
こちらのお茶作りが変わってしまったのか。
前者が有力である。
2011年4月28日木曜日
私は日本の煎茶が好きだ。
インドやスリランカやアフリカの紅茶、中国茶、それに珈琲も良いが、やっぱり煎茶が合う。
本年3月に福島県で起きた原発事故を考えると、もし同じぐらい古い静岡の浜岡原発で同じような事故が起きたら、静岡茶はもう飲めない。というか関東の農作物もおしまいだろう。
静岡のお茶生産農家はそこらへんを考えているだろうか?
現状を容認するということは、将来事故で汚染されて売れなくなるリスクも容認するということだ。
もちろん電力会社首脳陣に重大な責任があるかもしれない。
しかし事故が起こってから電力会社だけのせいにする権利は無い。
普段から何もしてこなかった地元民や我々国民一人ひとりのせいでもある。
福島は、原発に否定的見解だった前県知事が冤罪で失職に追いやられたという話もあるのだから。
いつまでおいしい日本の煎茶を飲めるか、それは国民一人ひとりにかかっている。
インドやスリランカやアフリカの紅茶、中国茶、それに珈琲も良いが、やっぱり煎茶が合う。
本年3月に福島県で起きた原発事故を考えると、もし同じぐらい古い静岡の浜岡原発で同じような事故が起きたら、静岡茶はもう飲めない。というか関東の農作物もおしまいだろう。
静岡のお茶生産農家はそこらへんを考えているだろうか?
現状を容認するということは、将来事故で汚染されて売れなくなるリスクも容認するということだ。
もちろん電力会社首脳陣に重大な責任があるかもしれない。
しかし事故が起こってから電力会社だけのせいにする権利は無い。
普段から何もしてこなかった地元民や我々国民一人ひとりのせいでもある。
福島は、原発に否定的見解だった前県知事が冤罪で失職に追いやられたという話もあるのだから。
いつまでおいしい日本の煎茶を飲めるか、それは国民一人ひとりにかかっている。
つぼ市製茶「利休の詩」深蒸し
大阪の雄、つぼ市製茶。現会長の谷本陽蔵氏は、日本茶の生きる伝説の一人かと思う。
関西では珍しく深蒸しばかり扱うが、これは陽蔵氏の息子の現社長によるものとのこと。
こちらのお茶を前回飲んだのはもう10年くらい前になろうか。そのときも深蒸ししかないと言われた。
今から30年くらい前からそうなったようだ。
こちらのお茶を前回飲んだのはもう10年くらい前になろうか。そのときも深蒸ししかないと言われた。
今から30年くらい前からそうなったようだ。
本品はひね茶(2010年産)のため、味に関しては不利かとは思うが、深蒸しで、火香もかなり強く、まさに一般にイメージされる西のお茶とは思えないような味である。
100g1575円で販売されている。
2011年4月。
しゅんたろう 鹿児島県産普通蒸し 100g入り 1575円
2011年4月 思月園にて購入。
鹿児島県種子島西之表市・射場勇治さんが製造した新品種・しゅんたろう。日本でも販売しているのは思月園さんくらい。
鹿児島のお茶によく見られるまろやかさに、良質の渋みが混ざった感じ。
土地のせいか、それとも品種のせいか、高地栽培のやぶきたのような繊細な感じは少ないが、丁寧に作られた感じが伝わってくる。
ゆたかみどり 生仕上げ新茶 普通蒸し 100g入り 1260円
2011年4月 思月園にて購入
新茶の味は昔と今では違う?
25年ぐらい前はあった、青臭いまでに生々しい新茶の味は今日なかなか見られない。
というのも、今日は新茶でも選別や火入れでより整えられて出荷される傾向があるからだそうだ。
しかしあの青臭いまでの新茶を懐かしむ人もいたようで、あえてそういう味を再現したのがこちら。
そこらへんの経緯は、こちらの店主著『僕は日本茶のソムリエ』(筑摩書房)に詳しい。
店主はゆたかみどり+荒茶でその味を再現した模様。
青く生々しい味が爆発する、今日では珍しいお茶で、歓迎したい。
欠点は、水分が多く日持ちしないことだそうだ。
しかし是非毎年続けてほしい。
最近の新茶に物足りなさを感じる方は是非。
新茶の味は昔と今では違う?
25年ぐらい前はあった、青臭いまでに生々しい新茶の味は今日なかなか見られない。
というのも、今日は新茶でも選別や火入れでより整えられて出荷される傾向があるからだそうだ。
しかしあの青臭いまでの新茶を懐かしむ人もいたようで、あえてそういう味を再現したのがこちら。
そこらへんの経緯は、こちらの店主著『僕は日本茶のソムリエ』(筑摩書房)に詳しい。
店主はゆたかみどり+荒茶でその味を再現した模様。
青く生々しい味が爆発する、今日では珍しいお茶で、歓迎したい。
欠点は、水分が多く日持ちしないことだそうだ。
しかし是非毎年続けてほしい。
最近の新茶に物足りなさを感じる方は是非。
2011年3月25日金曜日
鹿児島県産普通蒸し煎茶 べにふうき
「べにふうき」とは、「花粉症に有効なメチル化カテキンをたくさん含む品種」だそうである。
同じく花粉症である店主に勧められて購入。
味は・・・苦くて土っぽいというか香ばしいというか、変わった味がする。
美味しいという感じではない。
ただ、温度をややぬるく(ぬるすぎても駄目)すると、ごくまれにそこそこ美味しく入るときがあった。
花粉も気のせいか、飲んだときは多少緩和されたような気もする。
2011年3月思月園にて840円。
同じく花粉症である店主に勧められて購入。
味は・・・苦くて土っぽいというか香ばしいというか、変わった味がする。
美味しいという感じではない。
ただ、温度をややぬるく(ぬるすぎても駄目)すると、ごくまれにそこそこ美味しく入るときがあった。
花粉も気のせいか、飲んだときは多少緩和されたような気もする。
2011年3月思月園にて840円。
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