2011年7月25日月曜日

しもきた茶苑大山「生茶」¥630/100g

■「生茶」とは?

「生茶」というものに明確な定義は無いが、思月園さんやしもきた茶苑大山さんでは、荒茶を生茶というネーミングで販売している。

世間一般ではキリンビバレッジのペットボトルのものが知られているが、その「生茶(生茶葉)」はキリンの定義によると「摘んで4時間以内に、-30℃以下で保存した茶葉」とのことである。

が、思月園さんやしもきた茶苑大山さんの「生茶」が「摘んで4時間以内に、-30℃以下で保存」されているわけではないし、そんなことをしなくても、比べるのも愚かなくらい、本物のお茶屋さんのお茶のほうが旨いということを、念のために記しておく。


■荒茶

荒茶とは製茶の途中の段階のようなもので、完成品はこれに「火入れ」をしたり、茎や細かすぎる茶葉を省く「選別」をしたり、という過程が加わる。

また、水分量が完成品(最近はメディアで「製茶」と呼ばれている)が3パーセント程度なのに対し、荒茶は5~6パーセントくらいと言われている。
2、3パーセントの違いだが、開封後など、荒茶のほうが劣化が早いと言われている。

味は、色々な部位が混ざっているが、特に茎などの味が混ざっているのを感じる。
火入れがされていない(少ない?)分、青葉っぽい味が多い。

ただし、生茶として販売されている思月園さんの荒茶などは、茎がほとんどなく、ある程度の選別は行っていると思われるので、定義は本当にまちまちである。


■荒茶とセシウム検査の件、静岡県知事の川勝平太氏

とはいえ、このようにお茶屋さんでは荒茶が普通に流通しているし、スーパーでも「茶園が自分の家で飲むお茶」というような内容のコピーで荒茶を販売しているのを見ることもあるので、少なくとも、静岡県知事が「荒茶は半製品で、消費者が口にすることがない」という理由で検査を拒否していたというのは、全くもっておかしいことである。


また、茎が入り水分量が多い「荒茶」よりも、茎よりも芽に集中するであろうセシウムの特性や、水分量が少ないことからして、「荒茶」よりも「完成品」のほうがより高い数値になるだろうということは予測できる。


思うに、静岡県知事の川勝平太氏は、お茶をあまり知らずに、お茶業界(というより自分?)を擁護する目的で発言をしたのではないか。

しかし、どんな口上も、現実の前にはもろくも崩れ去る。
その後結局「荒茶」どころか「完成品」を検査するようになったという現実が全てを語っている。
川勝氏が先を見通す目に欠けていたという事実を雄弁に物語っている。
それは他人事ではない。
選ぶ人もそういう人々であるということだ。
静岡県民には、責任をもって有能な知事を選んでいただきたい。


■しもきた茶苑大山「生茶」¥630/100g

さて、しもきた茶苑大山「生茶」¥630/100gであるが、こちらは鹿児島のお茶だそうである。
思月園さんの「生茶」(¥1260/100g)に比べ、茎も普通に入っており、値段が違うだけ茶葉のグレードもずっと下がる。
しかし、それが飾らず親しみある味にもなっており、また、青臭い新茶とまではゆかないが、生っぽいぬるっとした味も残っている。
そして、管理の良さや茶葉を選ぶ目の良さは¥630/100gでも健在で、この値段では異例の美味しさといえる。

食事に合わせたりする普段使いのお茶にはもっていこいの、素晴らしいお茶だと思う。

2011年7月購入

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