2011年7月18日月曜日

お茶とセシウムその後

■最悪な静岡県の対応

静岡では県知事が荒茶や完成品での検査を拒否していました。
あろうことか、検査されて出てきた都合の悪いデータの公表を差し止めようとしたりもしていました。

が、予想通り、検査したデータが世に出てきたりして、批判が起こり、今では県もデータを公表する流れにあります。
この健康軽視、情報隠蔽、定見の無さ、自己保身・・・静岡県の対応は、静岡茶、ひいては日本茶全体の心象を悪くするばかりで、下の下といえるものです。

日本で権力による情報規制の圧力をかけたりしている間に、フランスで規制値超えのセシウムが検出されたのが発表されたりして(誤報もありましたが)、「自浄能力に乏しく、外国からの事実の発表で動く」ということが白日の下に晒されるという、恥ずべき内容となっていしました。
中国や北朝鮮のことを笑えません。

「静岡のお茶は怖くて買えない」というより、「県の対応が腹立たしいから静岡茶は買わない」に変わりつつあります。

本当に残念なことです。

正直、静岡県の政治家や担当者は、静岡県民の税金で生活しているので、対応が悪くてお茶が売れなくても、彼らが静岡茶や日本茶の名を貶めても、大して給料が変わるわけでもないし、解雇も事実上無く、直接死活問題にはなりません。甘い対応になりがちです。


■民間レベルでは必死の検査が続く

県の対応が最低な一方、民間では必死の対応が続いています。
茶園独自での、検査機関への依頼が殺到、順番待ちになっている状況だそうです。
そして、「安全」(正確には、「規制値を下回ったこと」)の証明書をつけて販売する、ということも多く見られるそうです。

この場合、検査費用がかかり、その分のコストを全部販売価格に上乗せするわけにもゆかず、本当に大変なことなのです。

こういう必死の努力が行われていることを多くの人が知るべきだと思います。


■検査費用面での支援は絶対に必要

現状で、農家やお茶屋さんが自費で検査するのはかなりの負担となっています。
国、県、協会、東京電力のどの部分で行うべきかは分かりませんが、絶対に必要なことは、「検査費用の支援」です。

また、この国難のときなので、検査費用や検査機関を見直すことも必要かと思います。

検査機関は依頼が殺到して十分に儲かっているはずなので、災害への支援として、査収する検査費を見直すべきです。

また、セシウムの半減期は20年ということは、少なくとも今後20年は需要が続くわけなので、検査機関や検査可能な機械を増やすというのは、風評被害の軽減の効用という意味でも、非常に利益のあることだと言えます。

検査機械はある程度の値段がするかもしれませんが、買っただけのメリットは見込むことができますし、お茶以外にも使えるわけですから、皆が恩恵を受けることができます。
莫大な支援金を受け取った日本赤十字のお金を、こういうところに使っていただきたいところです。



■販売側の発信の改善を

販売者の方のTwitterやBLOGの発信の仕方にも問題があります。
「お茶は淹れればセシウムは減るから安全です」「国の基準値をクリアしているので安全です」という内容のつぶやきばかりが非常に多い。

しかしそれでは、静岡県の言ってきたことと区別がつきません。


・「国の基準値をクリアしているので安全です」について

国の基準値を下回ったから「安全」という証明(研究事例)はセシウムに関しては存在せず、あくまで「暫定基準値」でしかないのに、「安全」と書いてしまっている人が多すぎる。
もしその基準自体が間違っていたら、「国にだまされた」と言うつもりなのでしょうが、「安全」と言ってしまった人の責任もあるのです。
国のせいばかりにして良いわけではありません。


・「お茶は淹れればセシウムは減るから安全です」について

何より、正直言って、県が隠蔽工作を行っていた間も「お茶は淹れればセシウムは減るから安全です」ばかりリツイートしている業者が多すぎて、同じ穴の狢??と思ってしまったというのが、一消費者から見た率直な感想です。
むしろ、「県はしっかり情報公開してほしい!」ともっと訴えるべきでした。

また、茶葉の細かさや茶漉しの目の粗さによっても、セシウムの量は全然違ってきます。
「そんなに気を遣わなければいけないくらいなら、そもそも別のものを買う」というのが一般の人の感覚だと思いますので、この宣伝ばかり繰り返すのはあまり得策ではないと思われます。


むしろ、宣伝するなら、自主検査をしていることを言ったほうが良い。
そして、きちんとしかるべきところに検査の支援を訴えてゆくべきです。

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