2011年10月9日日曜日

『お茶は世界をかけめぐる』高宇政光著、筑摩書房刊、2006年

煎茶の歴史が書かれた物としてこれを上回る内容のものを知らない。

社会学において、日本の伝統とされていたものが実は明治以降の近代に作られたという、「伝統の創出」という概念があるが、これを思い出した。

煎茶は、アメリカや北アフリカなど、その時代その時代の消費者に向け発展してきた経緯があり、江戸時代からある煎茶ではあるが、多くの日本人が日常的に飲むようになったのは、実は1960~1970年代あたりとさえ言える。それまでは番茶。

この考え方を骨子に、沢山の資料を駆使し、「日本茶の近代史を書き換えようという意気込みで」書かれたのが本書。
日本茶ファン必読の書。

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