2016年7月30日土曜日

素晴らしい - 新生わたらい茶「極上煎茶」1,296円

一昨年は繰り返し飲み、昨年は少しばかり飲んだ新生わたらい茶さんの「極上煎茶」、今年はどうか。

一昨年の味が戻った。いやそれ以上かもしれない。
素晴らしい出来だった一昨年よりも、柔らかく香り高い。

ミル芽とも違うがフルーティ極まりない香気が口いっぱいに広がる。

昨年気になった茶色(ブラウン)の葉屑の混入も見られず、雑味が無い。
茶柄も少なく、外観もこの3年で1番良い。

火香は少ないがえぐみは無く香気高く、パサパサせず瑞々しい、素晴らしい仕上げ。これは例年通り。素晴らしい製茶のセンス。

被せ香も感じるが嫌らしさは無い。
葉が柔らかいのか、川根茶などに比べて渋みが少なく柔らかい。

しかもJAS認定有機栽培(無農薬)。
有機というとパサパサになるまで乾燥させて酸っぱくなり、茎まで入った大ぶりな茶葉のものが多いが、そのような印象を持っている人にこそ、このお茶を飲んでいただきたい。

摘採時期が早いのか、蓬莱堂さんの宇治茶などに比べるとフレッシュさに偏った味ではあるが、これはこれで素晴らしい。
ただし、この新茶の香りというのは揮発性のものらしく、開封後どんどん消えてしまい、100g飲みきるころには、何割か本来の香りを失っている。
それでも、無農薬でやっているという点も考慮したら本当に凄いことだ。

このお茶が1296円とは驚異としか言いようが無い。
南園さんの「月牙泉」も絵に描いたような高級茶だったが、2000円+税するし、開封したばかりの状態に関しては、人によってはこちらの「極上煎茶」の方が好きと言うかもしれない。

美味しくて、安くて、安全。
これはリピート必至である。

2016年7月28日木曜日

特撰南園

前回の「月牙泉」(2000円+税)があまりに美味だったため、ほかは一体どうなっているのだろう?という興味から、一つ下位である「特撰南園」(1500円+税)を購入してみた。

何より目立つのは「月牙泉」に比べてずいぶん感じる火香である。
そして、霧深い山間を感じさせる素晴らしい香気は減衰し、やや平地っぽい味になった。
やはり「月牙泉」の素晴らしさが際立つ。

斜面一つ違うだけでも全く異なる味になる、とのことで、単純にこちらが平地というわけでもないのだろうが。


2016年6月29日水曜日

南園「月牙泉」 100g 2000円(本体)

祖師谷大蔵駅から北に延びる有名な商店街には、数十メートルごとに次々と日本茶屋さんが現れ、その多さに驚かされる。

南園さんは駅からやや離れていて、非常に小さなお店だが、古めの萬古焼などもあり、雰囲気がある。
本当に気まぐれにではあるが、100g=2000円+税の「月牙泉」なるお茶を購入してみた。
このお店で一番高級な煎茶のようである。


何気なく飲んでみたところ、これぞ高級茶。
このバランスの良さは玄人としか言いようが無い。

火香は世間一般で言えば少ないぐらいだし、乾燥させすぎてもいない。
面白いのは、肥料の影響か、少しミネラル的な味(?)がすることだ。
そして、川根茶にある、少し茎のような鮮烈な香気。

外観は、芽の部分が多く、黒みがかっているが、秋山園「自然仕立て」ほどではない。
が、新茶+川根茶の香気を中心にバランスよく纏め上げた味作りのうまさには唸らされるものがある。

入念に調べて辿り着いた数多の名店を押し退けて、ふらりと入ったお店のお茶がここまで美味しいことに、驚きを禁じえない。

何故、祖師谷大蔵の老店主がやっているごく小さなお店のお茶が、ここまで美味しいのか。
実は、店主のご実家は川根にあり、そちらの南園製茶(有限会社みなみ)のお茶なのだそうだ。

夏を越える前に飲むお茶としては、新茶の青臭さこそ少ないものの、今年飲んだ中で今のところ一番だ。

2016年6月28日火曜日

蓬莱堂茶舗 新茶

蓬莱堂さんは、世の新茶礼賛主義とはかなり距離を取っておられるようだが、その新茶はどうか?
茶葉を見ると、100g 1200~1400円ぐらいの出来に見える。

びっくりするほど火香が無いため、エグみがあると表現する人もいた。

「新茶は青臭くて飲みにくかった」と言われていたころのお茶作りを、ある程度踏襲していると思われる。

もちろん、「大走り」など論外ということになるのだろうから、ある程度生育した茶葉で、そういった感じの味である。

青々しさの割に旨みが少なめなので、低めの温度で淹れるとエグみも感じられるが、熱めのお湯で茶葉を多めにして淹れると、青臭さが飛び、ジューシーさが出てきて、何とも美味になった。

2016年6月27日月曜日

秋山園 平成28年産 新茶 自然仕立手摘 2,000円/100g(本体価格)

秋山園さんの言う「自然仕立」は、お茶を畝にしないことを意味しているそうで、必然的に手摘みになる。
新茶の味はどうか。
黒みがかって、思ったよりも短い茶葉が多い。
一見して丁寧に作られたのが伝わる。

そして香り立つ。これはある程度の火入れを予感させた。

多分に漏れず、秋山園さんでもこの時期は火入れを弱めにしているとのこと。
また、高級茶らしく、通常の半分ぐらいの温度の気持ちで淹れてほしいという説明書きも添えてあった。

しかしその通りに淹れてみると、とにかく旨みは多いのだが、肥料的というかアミノ酸的な旨みに偏っており、火香も言うほど少なくないと感じる。

色々な淹れ方を試した結果、一般的な高級煎茶よりも高めの温度、多目の湯量で、つまり並級煎茶の如く少々雑に淹れたときに、最もこのお茶の凄みが出るように自分には思われた。
おそらく、そのほうが突出したアミノ酸的な旨みが適度に収まるということだろう。

ただ、これだけ丁寧に作られたお茶であれば、やはり高級茶的な淹れ方をしたときにバランスが取れるほうが良いように思う。

2016年5月25日水曜日

生仕上げ ゆたかみどり

毎年楽しみにしているお茶。
鹿児島県枕崎産。
昔の青臭いまでの新茶の香りを演出するため、思月園さんが選び抜いた「ゆたかみどり」を、あえて日持ちを捨て、水分量多めで仕上げた名作。
水分の都合上、例年5月末頃までの販売で、早目に飲み切ることが推奨されている。

今年は例年よりも濃厚で、分かりやすくメリハリのある風味。
それゆえに、淹れやすく、このお茶の特徴であるジューシーなまでに瑞々しい味が引き出し易い。
早目に飲み切ってくれる人ならば、誰にでも薦めることができる。

実際、あまりお茶に詳しくない人に一袋さしあげたところ、感銘を受けていた。

今年のは当たりの部類に入ると思う。
少し味のぼけた感じがした昨年を踏まえて葉を選ばれたのが伝わってくる。
ただし、やや大味なところもあるため、来年はこれに繊細な香りも更に加わったら嬉しい。
いずれにせよ、たとえ上手くいった年もそうでない年も、腰を据えて飲み続ける価値があるお茶。

思月園さんのブログによると、年々このお茶を見つけるのが難しくなっているとのこと。
また、熊本の地震では同県のお茶業界も甚大な被害を受けているとのこと。
5年前は東日本大震災と放射能に怯えながら、こうしてお茶をいただけることがいかに恵まれてることかを痛感した。
熊本の復興を祈りつつ、本年のお茶も感謝を忘れずに頂きたい。

2016年5月5日木曜日

「変化」を超えた4月の「勢龍」


「勢龍」は「都の緑」よりも「常盤木」に近いと思っている。

あえて4月に昨年の勢龍を飲んでみる。

蓬莱堂さんは、伝統に則るということで、「火入れ」はなるべく避け、冷凍保存も行わずあえて空気を含ませた常温の壷で茶葉を保存し、販売時の袋詰めも酸素を抜かない方式を選ばれている。

これらはいずれも「保存」という点では難易度を高めるわけだが、「味を保つ」というよりもあえて「変化を楽しむ」ものと位置づけられているとのことである。

ただ、さすがに次の新茶が出始める時期ともなると、「変化を楽しむ」という段階を通り越してしまったと自分には感じられた。
少し瓜のような癖のある臭いを感じた。

これは、いままでに買った「勢龍」のみならず、どの蓬莱堂さんのお茶でも一度も経験したことが無いものだった。

こんなこともあったが、 「勢龍」はとても好きなお茶だ。
次年度はもう少し早い時期に「勢龍」を買いたいと思う。