2010年12月12日日曜日

熊本県相良村産やぶきた茶 普通蒸し煎茶 全国品評会出品 100g 特価840円

2010年12月 思月園にて購入
茶葉はやや太目ながら長くよく揉まれ、色も黒く、九州地方のお茶で美味しそうだと思ったのだが、これがかなり難しかった。
実際に湯に浸してみると、かなり大振りの茶葉である。
それ故か、煎茶の良い香りに乏しく、ぬるい温度で薄く入れると、ほとんど香りがしない。
茶葉を多く使ってお茶屋のように濃く出すか、熱い温度で渋みを出すかしないと、ただお湯を飲んでいるかのようだ。
一見上手に作ってある茶葉だと思ったが、曲者であった。

2010年11月4日木曜日

宮崎県都城市大石明製造 普通蒸し煎茶 全国茶品評会出品茶

宮崎県都城市大石明製造
普通蒸し煎茶
全国茶品評会出品茶
100g 1,575円
(2010年10月「思月園」にて購入)

これぞ美味しい九州のお茶!と思わせる繊細で甘み溢れる味で、自分の知っている八女にも似ている。
飲んだ後に口の中に甘みが爆発して残っている。
茶葉もミル芽がかなり多く、細く、湯を入れてもすぐに浸水しないほどだ。
上質な茶葉である。
これで100g1500円は安い。

他店で「宮崎産は火入れが強い」という方もいたが、こちらに関してはそんなこともないように思う。

滋賀県土山町産やぶきた 普通蒸し煎茶 東京都優良茶品評会出品

滋賀県土山町産やぶきた
普通蒸し煎茶
東京都優良茶品評会出品
100g 1,260円
(2010年10月「思月園」にて購入)

今まで飲んだ感じだと三重のものに近い印象だった。
三重、京都あたりとも共通する、どこか土っぽい味がある。近畿の土の味なのだろうか?
甘みもかなりあるのだが、土っぽさのせいか、繊細というよりは穏やかで少し雑味ある甘みと感じる。
普段より少しぬるめのお湯で出すと、より長所が出る印象。
京都で宇治茶を買うよりも、同じ値段なら遥かにグレードの高い茶葉が使われている。

高知県四万十川町産 普通蒸し煎茶 関西品評会出品茶

高知県四万十川町産
普通蒸し煎茶
関西品評会出品茶
100g1260円(?)
(2010年9月「思月園」にて購入)

火香がほとんどないというのか、青々とした草の風味もある。しかし甘みはそんなでもない。
上手に入れるのはかなり難しい。
茶葉からすると一見ごく低い温度で入れたほうが良さそうなのだが、意外と高めの温度で渋みも出したほうが美味しかった。
うまみを出せたと思うころには茶葉の半ば以上を使ってからだった・・・

2010年11月3日水曜日

八女茶

10年以上前になるか、日本のいろいろな産地のお茶を飲んでみた。
農協に電話してお茶を送ってもらったりもした。
その中で最も馬が合うと思ったのが、九州の八女茶だった。
そこで更に八女の各茶店(生産者)から購入してみた。
気になるところは同じ店で複数グレードを購入したり、季節を変えて購入したりもした。

今思うとあの情熱は何だったのだろうか・・・
ちょうどインターネットが世に広がり始めたときで、まだウェブサイトを持つ店も少なかった。

そうして調べていった中でも安定しておいしいと自分が感じたのは、八女茶の後の江製茶さんだった。
甘く柔らかい味がとても好きだ。

東京から少量取り寄せるとかなり割高になってしまうのだが、たまに注文させていただいている。

なお、このお店に限らず一般論として、お茶を通販する場合は、季節によって輸送中に味が落ちてしまったりしたこともあった。輸送には工夫が必要だと思う。
同じ銘柄でも季節によって火香が強すぎたりして、味の変動が大きすぎる店もあった。

そういった意味でも後の江製茶さんは季節や年が変わっても味の安定度が高く、素晴らしい腕だと思う。

思月園

東京広しといえどもこの店を越える日本茶の店はあるだろうか。

それは赤羽の思月園さんである。

店主の高宇政光さんは、日本茶の世界では数少ない、多数の著作を世に出している方で、日本茶インストラクター創設にも関わり、世界各国で多数講演もこなす方だ。

なによりも凄いのは、彼と話していると、他の趣味には脇目も振らず日本茶の話を熱く語り、その輝く目に感動させられる。

他の有名著者に比べ、煎茶の社会経済史的な言及が多く、アメリカをはじめ外国に輸出した経緯やその栄枯盛衰などに滅法詳しい。
後継者不足に悩む地方の個性溢れる番茶を仕入れて自分の店で売ったりもされている。

そんな思月園さんのお茶は、社会経済史だけではなく、味ももちろん素晴らしい。

季節ごとに全国のお茶を仕入れに赴き、眼鏡に適ったお茶を仕入れてくる。
東京でもトップのお茶屋さんの凄さを垣間見ることができ、本当に良かったと思う。
凄腕の目が選ぶお茶を体感する快楽。

なお、氏の著作を読めば出てくるが、よくお茶屋さんで出てくる無料試飲には、こちらの店主は批判的である。
ヨーロッパなどでは、店頭試飲も有料が普通となっているのを見てのことのようだ。

久々の宇治茶

宇治茶はブランド化しているため、かなりの額を出さないと美味しい宇治茶にはありつけないイメージがあった。
そのため、コストパフォーマンスを考えるとどうしても他の産地になってしまっていた。

が、京都を歩いていたら偶然とても良さそうなお茶屋さんを発見。
100g1000円~1500円の価格帯で、美味しい煎茶があることを知った。
蓬莱堂茶舗というところ。
普通蒸しにごく弱い火香で、これぞ宇治茶という味。


茶葉を見ると、そんなに高級部位ばかり使っているわけでもないように見える。
ミル芽が特に多いわけでもないし、茎もちらほら入っている。
それでこれだけ美味しいというのは、茶葉自体が持っている品質と、加工の上手さとがあると思われる。

何というか、普段飲んでいる1500円のお茶の美味しさが、ミル芽を多用した甘みの爆発であるのに対して、今回の甘みは、老舗の味というかつくりの上手さというか・・・前者がカリフォルニアのワインだとすれば後者はフランスのワインのような感じなのだろうか(完全に単なるイメージ)。
宇治茶の底力を見る思いだ。

このお茶を上手に入れるにはそれなりの点て方が必要だ。
いわゆるお茶屋さんがやる、小さい急須(宝瓶)に多量の茶葉を入れ、そこにぬるいお湯を入れる、というような、味が濃く出る「本格的」な入れ方が合う。
上手く入れないとなかなかおいしい味にならない。

煎茶 「勢龍」 蓬莱堂茶舗
100g1575円
(2010年10月末)