ダージリンがマスカットのような香りだとすれば、本当に美味しいアッサムは、蜂蜜のような香りがして、非常においしかった。
スリランカ系とはまた違う、ミルクティーの一つの終着点といえるような味であった。
かつて新宿高野(本店)には、インド人のスタッフと、専門の日本人スタッフが常駐し、そういう茶葉を10gから量り売りしてくれた。
試飲もさせてくれた。
今ではなくなってしまったのがまことに惜しい。
ダージリンに力を入れる店は数多いが、良いアッサムを売っているお店はなかなか無いのである。
アッサムは単一茶園ものでも、ダージリンよりは遥かに安価でお買い得感があった。
ちなみに新宿高野には良いニルギリもあって、ニルギリは地理的にも味的にもディンブラなどスリランカに近くて、とてもマニアックだった。
売り場が縮小した2012年1月現在も、ニルギリなどが置いてあって嬉しかった。
この売り場の真価は、10年以上前、20世紀の時分にはなかなか理解できる人がいなかったかもしれないが、ネットが普及した今だったら、また違った需要があるのではないかと思う。
このマニアックさは、一部リーフルにも通ずる部分があるようで、今では同じ新宿にリーフルの伊勢丹店・ナヴァラサがあるので、久々に高級アッサムを味わってみたいと思い訪問してみた。
・・・が、ナヴァラサは紅茶スノッブの常か、圧倒的にダージリン系志向で、2012年1月現在、アッサムは申し訳程度にCTCが一種と、フラワリー・グレードが一種しかないのだった。
おまけにお店のお姉さんにCTCを勧められて、紅茶界におけるアッサムの扱いの低さ、アッサムが好きな人の扱いの低さを感じたのであった。
2012年1月20日金曜日
[番外編・紅茶]ティー・ハウス・タカノ、ディンブラBOP & ウヴァ ハイランド茶園
1974年に東京初の紅茶専門喫茶店としてスタートした、まさに「草分け」という名が相応しい、ティーハウス・タカノ。
価値観がまだ多様ではなく、「喫茶店といえば珈琲」が当然だった当時、珈琲が無くて紅茶のみの喫茶店は、苦労なさったとも聞く。
誰もやらなかったことを成し遂げたからこそ今日の老舗がある。
喫茶店であるだけではなく、茶葉やティーポット等も購入可能である。
ティーポットは購入してみたことがあるが、考え抜かれており非常に使いやすい。
世では紅茶というとダージリンが断然ブランド化しているが、こちらはダージリン(インド)よりもスリランカ系、しかも日常飲めるような値段のものに力を入れておられる。
特にお店の標準ミルクティーとなっているディンブラ BOPは、普段着のミルクティー用茶葉として、一つの理想像だと思う。
繊細でフルーティーな香りはさすがに少ないが、木の実のような味が混ざっていて、これが美味しい。
ロットの誤差も少なく味も安定している。
ミルクティーを考えるときはメートル原器のようにいつも比較基準にしている。
また、スコーンも絶品である。
お店を訪れた際、久々に気分転換をしたくなってウヴァを飲んでみることにした。
ウヴァというとメンソール系の香りが特徴とされるが、本品は、かすかに上品に漂うにとどまり、繊細な味。ストレートでもミルクでもゆけそうで、ミルクでは少しパンチが足りないくらいなので、入れすぎないように注意したい。
ただ、日本の高級煎茶や高級ダージリンのようにフルーティーさ爆発とはゆかない。
茶葉で購入したときの値段
ディンブラ ラクサパナBOP(100g 600円、50g 330円)
ウヴァ ハイランド茶園50g630円
2012年1月
価値観がまだ多様ではなく、「喫茶店といえば珈琲」が当然だった当時、珈琲が無くて紅茶のみの喫茶店は、苦労なさったとも聞く。
誰もやらなかったことを成し遂げたからこそ今日の老舗がある。
喫茶店であるだけではなく、茶葉やティーポット等も購入可能である。
ティーポットは購入してみたことがあるが、考え抜かれており非常に使いやすい。
世では紅茶というとダージリンが断然ブランド化しているが、こちらはダージリン(インド)よりもスリランカ系、しかも日常飲めるような値段のものに力を入れておられる。
特にお店の標準ミルクティーとなっているディンブラ BOPは、普段着のミルクティー用茶葉として、一つの理想像だと思う。
繊細でフルーティーな香りはさすがに少ないが、木の実のような味が混ざっていて、これが美味しい。
ロットの誤差も少なく味も安定している。
ミルクティーを考えるときはメートル原器のようにいつも比較基準にしている。
また、スコーンも絶品である。
お店を訪れた際、久々に気分転換をしたくなってウヴァを飲んでみることにした。
ウヴァというとメンソール系の香りが特徴とされるが、本品は、かすかに上品に漂うにとどまり、繊細な味。ストレートでもミルクでもゆけそうで、ミルクでは少しパンチが足りないくらいなので、入れすぎないように注意したい。
ただ、日本の高級煎茶や高級ダージリンのようにフルーティーさ爆発とはゆかない。
茶葉で購入したときの値段
ディンブラ ラクサパナBOP(100g 600円、50g 330円)
ウヴァ ハイランド茶園50g630円
2012年1月
三重県四日市市森光久製造 品種:やまかい
三重県四日市市森光久製造 品種:やまかい
全国品評会出品
2011年12月 思月園 100g1260円
また三重のお茶。
一見して上質なお茶である。茶葉の緑が濃く、細く撚られている。この価格帯では理想的な見た目だろう。
そして茶を淹れると、薄めの緑に変化し、若い葉も多い。
旨み成分はかなり多いのだが、「やまかい」という品種のせいか、「べにふうき」あるいは「ゆたかみどり」にも似た独特の臭みのような香りがある。
「やまかい(山峡)」という名は、新芽や製茶の色が山の茶らしいことからついたそうで、やぶきたの自然交雑実生から選抜され、試験を経て1967年に品種となったとのこと。
約45年前の大人が付けた、美しい名である。
この品種は、「べにふうき(紅富貴)」の1/3~1/4程度だそうだが、「メチル化カテキン」が含まれており、花粉症対策としても期待できるらしい。
全国品評会出品
2011年12月 思月園 100g1260円
また三重のお茶。
一見して上質なお茶である。茶葉の緑が濃く、細く撚られている。この価格帯では理想的な見た目だろう。
そして茶を淹れると、薄めの緑に変化し、若い葉も多い。
旨み成分はかなり多いのだが、「やまかい」という品種のせいか、「べにふうき」あるいは「ゆたかみどり」にも似た独特の臭みのような香りがある。
「やまかい(山峡)」という名は、新芽や製茶の色が山の茶らしいことからついたそうで、やぶきたの自然交雑実生から選抜され、試験を経て1967年に品種となったとのこと。
約45年前の大人が付けた、美しい名である。
この品種は、「べにふうき(紅富貴)」の1/3~1/4程度だそうだが、「メチル化カテキン」が含まれており、花粉症対策としても期待できるらしい。
2012年1月1日日曜日
中森製茶「極上煎茶」
中森製茶「極上煎茶」70g 1,000円
2011年12月
三重県は北部が高級茶産地で知られるが、南部は庶民的なお茶が多いのだそうだ。
中森製茶さんは南に位置するそうだが、本品は高級ラインで、かぶせ茶になっている。
伊勢茶の特徴は葉肉が厚いことだそうで、本品は始めとにかく渋みが出やすかったが、
慣れてきたら、鮮度香、濃厚な旨み成分、高級部位の繊細さと控えめな覆い香が一体となり、「旨い!」とうなるような味が出せるようになった。
硬度が10mgしかない熊野の水と合わせてみたところ、こういうのはあまり信じていないほうなのだが、三重県タッグということでか、さすがに良かった。
「かぶせ茶」でも覆い香は少なめで、普通の煎茶寄りの味わいの中に、青々とした味が在る。
このバランスは好きだ。
ただ、青々とした味のトレード・オフ関係というべきか、やや水っぽいというか香りに欠ける感じもあるか。
品評会に出るお茶とは路線が異なるような気がするが、好きなお茶である。
品種はやぶきた。蒸しは普通から中蒸しぐらい、火香も普通かやや弱めか。
(ただし、同社のこれより下のランクになると、火香が非常に強かった。)
芽の部分もなかなか多く入っている。
二淹目まで味がしっかり残っている傾向があるのも素晴らしい。
パック詰めは空気を抜いていないので、酸化には注意が必要か。
中森製茶さんは、有楽町の東京交通会館に支店を出されており、このビルは各都道府県のアンテナショップが沢山入っていて、とても面白い。
三重県のアンテナショップは東京には無いそうだが、常滑焼と共に急須で名高い四日市の万古焼は、もっと多くの人に知られて良いのではないかと思う。
また、中森製茶さんは国連大学のファーマーズ・マーケットや都内デパートにも時折出展されているようである。
2011年12月
三重県は北部が高級茶産地で知られるが、南部は庶民的なお茶が多いのだそうだ。
中森製茶さんは南に位置するそうだが、本品は高級ラインで、かぶせ茶になっている。
伊勢茶の特徴は葉肉が厚いことだそうで、本品は始めとにかく渋みが出やすかったが、
慣れてきたら、鮮度香、濃厚な旨み成分、高級部位の繊細さと控えめな覆い香が一体となり、「旨い!」とうなるような味が出せるようになった。
硬度が10mgしかない熊野の水と合わせてみたところ、こういうのはあまり信じていないほうなのだが、三重県タッグということでか、さすがに良かった。
「かぶせ茶」でも覆い香は少なめで、普通の煎茶寄りの味わいの中に、青々とした味が在る。
このバランスは好きだ。
ただ、青々とした味のトレード・オフ関係というべきか、やや水っぽいというか香りに欠ける感じもあるか。
品評会に出るお茶とは路線が異なるような気がするが、好きなお茶である。
品種はやぶきた。蒸しは普通から中蒸しぐらい、火香も普通かやや弱めか。
(ただし、同社のこれより下のランクになると、火香が非常に強かった。)
芽の部分もなかなか多く入っている。
二淹目まで味がしっかり残っている傾向があるのも素晴らしい。
パック詰めは空気を抜いていないので、酸化には注意が必要か。
中森製茶さんは、有楽町の東京交通会館に支店を出されており、このビルは各都道府県のアンテナショップが沢山入っていて、とても面白い。
三重県のアンテナショップは東京には無いそうだが、常滑焼と共に急須で名高い四日市の万古焼は、もっと多くの人に知られて良いのではないかと思う。
また、中森製茶さんは国連大学のファーマーズ・マーケットや都内デパートにも時折出展されているようである。
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