昨年あまりの素晴らしさに驚きと感動を与えてくれた南園さんの「初摘み新茶(月牙泉)」。
今年はどうかというと、店主さんによるとやはり収穫期に冷え込んだ影響で品質の維持に非常に苦労された様子。
茶葉を見ると、確かに外観は昨年のものに一段か二段及ばず、黒く細く撚られた茶葉だけではなく、薄めの撚りが足りない茶葉も散見される。
ただ、味は、少し葉の硬さ由来の強さ=渋味を感じた昨年のものに比べて、円やかなのが良い。
細かな茶葉がもう少し少なかったらもっと柔らかな味になっただろう(※追記 新年のロットには細かな茶葉が少なくなったものもあった)。
そして昨年と同じくミネラル的(?)な味と、爽やかな香気は健在で、川根茶の素晴らしさが全開である。
青臭くはないが火香は全く気にならない(※追記 秋~冬の時期は火入れがやや強い時もあるので注意)。
濃厚な旨みのある宇治茶とは違うが、これはこれで一つの高峰といえる。
旨みは多いが爽やかさがあるのは、肥料過多というまでにはなっていない良さを感じさせる。
祖師ヶ谷大蔵にはあと3軒くらいのお茶屋さんが近くにあり、南園さんは一番地味な店構えかもしれないが、この川根茶の上品さは他のお店では味わえないように思われる。
以前書いたように、ご兄弟やその息子さんが川根茶の生産家さんであるという点が決定的に大きい。
味の方向性にも納得が行き、感動を与えていただいた。
東京で2000円/100gくらいの良い静岡茶を飲んでみたいという方にぜひお勧めしたい。
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