2012年5月5日土曜日

「生仕上げ新茶」ゆたかみどり 鹿児島県田代町産

水分が多く日持ちしにくいというリスクを冒しながらも、3年かかって青臭いまでの昔の新茶の味を復活させた、思月園さんの名品である(『僕は日本茶のソムリエ』p37-42参照)。
新茶の季節にだけ味わえる、自分としては最も楽しみにしているお茶の一つ。

茶葉を見ると一見淡い緑色に驚くが、よく見ると、濃い芽のほうと淡い茎や大きな葉のほうとが混ざっている。
粗い唐箕のみ使っているのか、茎も多少入っている。
もちろんこれらは全て、「生茶仕上げ」と名づけられた青々とした味を出すための意図的な仕上げ。
春の気温上昇が遅かったことが影響しているのか、青々しさが凝縮された昨年よりも、気持ち日なたっぽい味がするかな・・・?

店主は昨年後半から体調を崩されてたらしく、お痩せになっていた。
店主の高宇さんは日本茶の宝。
どうかご無理をせず、末長く続けていただけたらと思う。

今年は静岡県産の新茶は販売ロットごとに放射能検査をした上で販売している点も良心的で素晴らしい。
ND(検出されず)の結果ばかりで一安心。

色々なことがあった昨年であったが、今年もまた素晴らしい新茶に出会えたことに感謝したい。

2012年5月思月園にて購入

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