2013年1月21日月曜日

清風園「冬茶だより」

「冬茶だより」という軟らかい名前が付けられているが、中身は「おくみどり」の深蒸しで、芽の高級な味が濃厚で鮮度維持も万全。お茶屋さんらしい紛れもなき本物である。

特に印象的なのは高級部位である芽の味がかなり濃厚なことで、これで1,200円は良心的であると感じる。
個人的には深蒸しでなかったらなお嬉しかったし、火香もかなりあるが、素材の良さが補って余りある。

熱めのお湯で淹れると火香が出すぎてしまうので、かなり冷まして飲むと良かった。

また、最近故あって老ね香のあるお茶ばかりずっと飲んでいたので、あらためてこちらのお店の品質管理に感嘆する思いである。

年明けのこの時期に芽の味が老ねずに味わえるのは、低温貯蔵、脱酸素剤、窒素充填、真空パックといった保存技術が向上した現代ならではであり、昔だったらあり得ない。

また技術だけではなく、各流通過程において誰も手を抜かず大切に扱われてきたからにほかならない。

老ね香は片道切符であり、流通のどこか一度でも手を抜いたら老ねて、元に戻ることは無い。
そうならずに消費者まで届くことこそが日本のプライドである。
関わった全ての方々に感謝したい。

2013年1月西荻窪「清風園」にて購入
100g 1,260円

2012年10月22日月曜日

茶舗あすか 特玉川在来


西荻窪の「茶舗あすか」さんは、在来種が並ぶお店だ。


「玉川」というのは静岡の地名で、今日では中河内川流域になるようだ。
中河内川は、茶でも有名な安倍川に合流している。

(ちなみに「両河内」というのは東にある興津川流域の一部であり、異なる地域。)

その玉川の在来種を使ったレアなお茶。

葉は大きめで、茎もそこそこ散見され、芽は入っているが少なめ。
いかにも在来種とセットになりそうな仕上げ。

鄙びた味がするが、不思議と渋みは鋭くない。
旨みも思ったよりもあり、茶葉の旨みと茎の旨みが溶けあう。
蒸しは普通(浅め)で、水色(すいしょく)はかなり黄味ががっている。
煎茶というより番茶に近い感覚。


品評会入賞茶がずらっと並ぶお店もあれば、こちらのように在来種が並ぶお店もある。
日本茶専門店といっても大きな違いがある。
しかし、どちらにしても生半可な店ではない。

こちら「茶舗あすか」さんは、お茶屋さんには珍しく、急須の品揃えも特筆すべき水準である。

2012年10月12日金曜日

全国茶品評会三等入賞 釜炒り茶 北野徳浩 思月園


全国茶品評会三等入賞 釜炒り茶
生産者:佐賀県嬉野市 北野徳浩
1,680円/100g
2012年10月思月園

三等(上位15%)でもこの価格で飲めるのは釜炒り茶ならでは。
茶葉は黒みがかり好きな香りがするが、新鮮な香りはそれほどでもない。
淹れてみると、思ったよりも、少し火入れがある普通の蒸し製煎茶に近い印象。
「釜香」を上品に抑えてあるのだろうか。
蒸し製の新鮮で繊細な香りは無くとも、緑葉の旨みが多く、臭みも無く飲みやすい。
湯の温度や量も柔軟に受け入れ、美味しく入る幅が広い。
秋冬に嬉しいお茶となりそうだ。
気づいたら同じく佐賀県の唐津焼と合わせて飲んでいた。

2012年10月2日火曜日

今秋、思月園さんの品揃えが凄い。


思月園さんのブログを見たら、各品評会のお茶が山のように入荷していて驚いた。
ここ数年で一番多いのではないだろうか?

世の中的には、放射能という、お茶に暗い陰を落とす問題は、まだまだ消えていない。
それどころか、放射能測定基準が変わったり(農水省の発表はこちら)、不穏な動きもある。
その基準で「規制値以下」とはいえど今年もセシウムが検出されている狭山茶などの生産農家は、本当に大変なことだと思う。
東京電力は自分達のボーナス復活よりも、お茶の生産農家への補償をきちんと行ってほしい。

そして、今年は店主の高宇さんも体調を崩されていた。

そんな暗い気持ちを吹き飛ばすかのような、本年の大量入荷には、熱い思いを感じずにいられない。

かぶせ茶、「やまとみどり」交配種、相良村のものが入ったり、
釜炒り茶は全国茶品評会「一等一席」(一位)を含む圧巻の品揃え

東京中見渡しても、これほどの品揃えをしているお店はあるだろうか?
東京都茶協同組合」加盟のお店を何軒か覗いてみても、品評会のお茶はあっても一種類というところもある中で、この品揃えは凄いとしか言いようがない。

上記のような色々な出来事があってみて、こうやってお茶をいただけるのは当たり前のことではなく、本当に恵まれていることだという思いを新たにする。
後から振り返って、「あの頃は色々なお茶が飲めたなあ」では遅いのだ。

2012年9月30日日曜日

東京都優良茶品評会入賞茶 八女 清風園

東京都優良茶品評会入賞茶
八女
清風園にて1,050円/100g

秋になり品評会のお茶が店頭にも出てきた。
本年(2012年)の第42回東京都優良茶品評会では、129点出品され、品質ごとに3部門(都の華/誉/香)に分かれて審査されたとのことである。

入賞茶なのに1,050円/100gなのには驚かされたが、東京都の品評会は「都の華」(上級)、「都の誉」(中級)、「都の香」(並級)に分かれているので、「誉」か「香」部門での入賞なのかもしれない。

茶葉を見ると、芽の部分から茎に近い部分まで万遍なく入っており、旨み(肥料的な)もかなりあるものの、芽の繊細な香りはその「万遍無さ」に埋もれた感あり。
もう一段、唐箕にかけたほうが良かったか。
少し「やまかい」的な香りの癖があり、八女にしては渋め。

2012年8月20日月曜日

[番外編・紅茶]ヌワラエリヤ ラバーズリープ PEKOE ティーハウス・タカノ


マスカテルではないが少しダージリンにも似た若葉の香りと、タカノのディンブラにある木の実のような味わいがあり、一部ヌワラエリアに見られるスーッとした感じは少ない。
若葉の部位が多く、その味がよく生かされており、これはかなり好みの傾向。
渋みは少ない。
さすがスリランカものに強いティーハウス・タカノさんらしい、達意のセレクションである。
これで100g 1,000円、50g 530円というのは、紅茶としてはお得な部類だろう。

清風園さんのおくみどりの煎茶100g 880円がいかにお買い得かということも、あらためて分かるというものであるが・・・。

ストレート向き茶葉。

2012年7月6日金曜日

清風園 おくみどり 煎茶


「おくみどり」は玉露でも評価が高い品種で、久々に飲んだが凝縮された緑葉の味があり、「旨いなあ」と思わされる味であった。
良質の旨み・甘みで、例外的に3淹目してもなおおいしさがある。

新茶を一日でも早く収穫できるかが利益を左右するという日本茶業界において、晩生である特徴を持つという点で、おくみどりは不利のようだが、それを補って余りある素晴らしい品種だと思う。

ただ、どこまでが品種の味で、どこまでが肥料や被せの味なのか、まだまだ自分は分かっていないとも感じた
おくみどりは今後積極的に飲んでゆきたい。

それにしても鹿児島は何でも作っていてチャレンジ精神がある。

前回清風園さんで八女を購入したときは袋が二重で驚いたが、今回は普通に一重であった。
今回も鮮度は充分に感じた。
880円/100gはかなりお得感がある。
ただ、火香は少し強いか。

最高級の茶葉というわけではないが、値段にして非常にお買い得な品質であるのは間違いない。


お店には蒸しが深いものが多く――本品も中蒸しくらいか――自分の好みからすると選ぶのに少々苦慮するが、またお邪魔させていただきたい。

2012年7月「清風園」にて購入