2019年4月23日火曜日

高級茶向きの製茶――高畑園 八十八夜

100g1000円+税
「浅蒸し」を標榜するだけに、蓬莱堂さんの新茶とまではゆかないが新茶前の時期としては異例なほどえぐ味ともいえる渋味苦みのある面白いお茶。

品質管理は鮮度あり素晴らしいと特筆できるレベル。
茶葉の外観も良し。

旨み成分に頼らない複雑な味を目指していることが伝わってくるが、もっと旨みの多い茶葉に向いた製茶をしているようにも感じる。

湯の温度をかなり下げたときの一淹目は美味しいが、二、三杯目まで美味しく淹れるのは難しい。

もう少しだけ茶葉に合った製茶があり得る気がしたが、製茶の丁寧さ、保管の良さなどから、茶葉への愛情が伝わってきて、記憶に残った。
好みはあると思うが、100g 1,080円は安いといえるだろう。

箱物行政を思い出す――櫻井焙茶研究所

コンクリート打ちっぱなしの洒落た内装で立地は表参道のスパイラルビル。
一時期マスコミにたくさん登場していた店。

お店にあった急須のことを訊いたら新人らしき子に「検索してみてください」と言われた。
知識が無い上に客に検索させるスタイル。
他のスタッフも手助けせず、個人というよりお店の姿勢と教育の問題だろう。

店のメニューには番茶や日本茶Award入賞茶もあったが、少し訊いても一切話が発展しなかったので、これが哲学の言う「存在しない」ということかと苦笑。

お金を払い店内で京都のお茶を飲んだが、茶葉としては販売していないとのこと。

バブル時代に、ホールや庁舎など立派な箱物ばかり揃えてソフトが足りないことが問題になったが、平成も終わるという日本の民間企業でもこういう箱物は生まれていた。

茶葉の値段が余所の1.5~2倍ぐらいに見えたのは、表参道だから自分は良いと思う(もし接客が伴っているなら)。
2018年12月~2019年1月ごろ訪問

深蒸しも良いと思ったが酸味を感じた――駿河園茶舗 100g 1000円と1200円のもの

深蒸しの川根茶。
火香は少なめで、二回三回と美味しく、深蒸しでも良いかなと思えた。
保存は厳格でなく、酸味あり。
新茶になったらまた飲んでみたい。

爺さんの「普段余所で100g1000円のお茶を飲んでいるなら、うちでは300円だ!」の啖呵が微笑ましかった。
「なぜならうちは静岡の問屋だから」 とのことだが、東京にはそういう問屋の二男坊が出てきて開いたような店が本当にたくさんあるのだ。
どこも高齢化著しいのが寂しい。

2019年1~3月購入

旨み成分祭――日本茶テロワール 「茶師十段 前田文男氏」ブレンド

愛国製茶 日本茶テロワール
「茶師十段 前田文男氏」ブレンド
100g 1500円くらい
たしか知覧と高知のお茶をブレンドしていたような

火入れはそこそこ
保存は上々
肥料的「旨み」が非常に多い。ほとんど鹿児島か。

「茶師○段」 を前面に出したものに好みのものは無し、の記録を更新した。

生産家らしい酸味?――樽脇園 特上煎茶 1650円/100g

蒸しは浅いが酸味を感じる。
袋は空気の入るタイプで保存に課題あり。
茶葉はそこまで選別せず野趣を追求か?しかし正直酸味でよく分からなくなっている。
1650円/100gしたのに勿体ない。
満月や新月で摘み分けるなどしその薀蓄を語られているが、そんなことよりもまず保管に力を入れたほうが、総合的にはよほど味は改善すると感じた。
2019年2月