2016年4月15日金曜日

温度に敏感!熱湯玉露「玉の輝」

「玉露に熱湯?」と聞くと軽薄な企画商品のように思えてしまうが、近畿地方を中心とした「かぶせ茶」の異名だそうである。

「熱湯」というのも本当に100度に近い温度というわけではなく、あくまで、煎茶の温度=玉露よりも熱い温度、というような意味合いとのこと。

本来の玉露は、黒い遮光幕ではなく葦簀(よしず)を用いなければならないそうだが、こちらは葦簀を使っているのか、現代的な遮光シートなのかは分からない。

淹れてみるととにかく温度に敏感なお茶で、一般的な煎茶は温度によって特に渋みが変わるものだが、このお茶は甘みがとにかく変わる。
たしかに宇治の玉露が少し煎茶っぽくなったようなお茶で、一般的なかぶせ茶の青海苔やりんごのようなかぶせ香は抑制されている。
玉露的な意味の甘みが一度にたくさん摂取できる、楽しいお茶。
水色(すいしょく)は伝統的な黄味がかったもの。

100g使ってもこのお茶の真価を発揮させた実感が無いのが悔しいところ。

2016年4月4日月曜日

昔の新茶の味を思い出す! 秋山園 手摘み 100g 2000円

黒さこそそこまでではないものの、細く撚られた素晴らしい外観。

味は、とにかくミル芽の味がふんだんに感じられ、火入れは「常盤木」よりもやや強め。

この味は、覚えがある・・・

そう、昔、親がデパートやスーパーで買ってくれた走り新茶の味だ。
手摘みゆえそれを更に澄んだ味にした感じで、新茶の季節から一年近く経っているから香気はより落ち着いている。
が、方向性は同じだ。
自分の舌が変わったというより、こういうお茶が少なくなったのだろう。

土壌の改良が凄いのか、静岡茶に多く見られる厚みある葉の渋みは非常に少ない。

ほぼ同じ値段の「常盤木」(蓬莱堂茶舗)が本流の味とすると、こちらは偉大なる傍流、新世界の高級茶という味である。
やや芽の風味に偏ったきらいはあるが、鮮度保持を含め圧倒的な品質のため、美味しいと脱帽するほかないくらいの素晴らしさがある。

このお茶で火入れ・乾燥を少なくして、新茶の時期に飲んだら、香りが爆発するような、さぞ凄い新茶になると思うのだが。