2015年5月26日火曜日

新生わたらい茶 特上煎茶(八十八夜)

「極上」に比べると、こちらの「特上」は味が強く、硬く生育した茶葉独特の渋みが感じられたが、渋みの質が昨年(14年産)とは違う感じで、渋みもしくはにおいに近い雰囲気。
ただし今年の「極上」で気になった茶色の葉屑の混入は見られない。
茎に近い部分がより多く入っているが、一般的な1000円/100gのお茶を考えたら十分上等だと思う。
火香を感じないのも素晴らしい。

いくつか飲んでみて、どうやら今年のお茶は、茶葉が硬めのまま香りが少なくなったような傾向がある気がする。


2015年5月21日木曜日

新生わたらい茶 極上煎茶(初摘み)

昨年(2014年度)は例年に比べてこの備忘録の更新が少なかったが、お茶を飲んでいなかったのではなく、実はこちらのお茶ばかり何度も買って飲んでいたので、書くことが無かった。
何年か日本茶の世界を渉猟したとは思うが、有機栽培の安全性と深い味わいを兼ね備えたこのお茶に出会って、ほかを探す気がなくなるぐらい素晴らしいお茶だった。

その2015年産である。
驚くことに、昨年のものよりも明らかに茶色(ブラウン)の葉の屑が多く混入している。
外観の質はかなり低下したといえるが、肝心の味はどうだろうか。
2014年産に比べると水っぽいというか香気が少し足りないような気がする。
ただ味は面白く、黒みがかった高級茶の味というよりは、ぬるっとした緑のエキス、あるいは少し木の実のような味。
この旨みは昨年には無かった別の長所でもあると思う。
香りの薄さは、昨年よりも少し茶葉を多くしてやると、良い具合だ。
相変わらず火香が全く目立たないのも素晴らしい。

昨年とはかなり雰囲気が違うが、良いお茶であると思う。
ただ、今年はもう少し他のお茶も飲んでみようと思った。

2015年5月19日火曜日

生仕上げ普通蒸し新茶 品種 ゆたかみどり 1404円/100g

毎年非常に楽しみにしているお茶。
今年は、例年よりも香りがおとなしく、苦味のほうが引き立ちやすいかな。
茶葉も硬めで、同じ茶葉の量ならば例年より味も薄めだと思う。
それでも独自の仕上げによるジューシーな味わいは感じられた。
薄い味を考慮して茶葉を少し多めにしたら、ようやく、さすがの味というところに辿り着くことができ、100g飲み終わるころには同じものをまた買いたくなっていた。

農作物ゆえ年毎の差異はあるが、腰を据えて付き合うだけの価値があるお茶。
来年も再来年もいただけたらと思う。

2015年5月1日金曜日

伊豆に香る九州産新茶--市川のぐり茶

伊豆に用事があり、土産物屋で購入。
伊豆はぐり茶の名産地のようだ。

賞味期限を見ると、2016年4月20日とあるので、普通に考えれば1年前である2015年の4月20日ないし21日に製造されたものかと思う。
であれば、もし静岡のお茶とした場合、かなりの「走り」ということになり、土産物屋で80g1080円で購入できるとは考えにくい。
よく見ると、「原料原産地名」は「国産」と記載があるほか、「伊豆に香るぐり茶」とは書いてあるが、「伊豆産」「静岡県産」とは辛うじて書いていない。あくまで「伊豆に香る」というあいまいな表現に留めている(笑)。


果たして、土産物店専門商品であるこの商品は、九州産の茶葉であるとのこと。
ほかのお茶は静岡産とのことである。
なおこのお茶は、市川製茶工場さんのサイトには掲載されていない。

実際のところよくある話だと思う。
製茶技術が伊豆に香るということで・・・。

さて味は、九州産でも早い部類の茶葉になるのであろう。
ミル芽の香りが爆発する、まさに「走り」の味そのもの。
「走り」信仰は色々問題があるといわれているが、やはり走りのミル芽の香りはたまらなく良い。

やぶきたの味ではなく、ゆたかみどりあたりか。

開封当初は圧倒的なミル芽の香りの前に欠点は消えていたが、缶に移して香りが減ってきたら、火香の強さが気になるようになってきた。

グレード的には、市川製茶工場さんの中では100g1000円程度のものを下回る程度らしいが、もしかしたら静岡産より好みかもしれない。
また、二淹目三淹目でもミル芽の香りが十分残っていて美味しく飲めるのも良い。

奥ゆかしいわけではないが、春らしい香りが素直に溢れ出ていて、良い。
今年も新茶をいただけたことに感謝したい。