2012年10月22日月曜日

茶舗あすか 特玉川在来


西荻窪の「茶舗あすか」さんは、在来種が並ぶお店だ。


「玉川」というのは静岡の地名で、今日では中河内川流域になるようだ。
中河内川は、茶でも有名な安倍川に合流している。

(ちなみに「両河内」というのは東にある興津川流域の一部であり、異なる地域。)

その玉川の在来種を使ったレアなお茶。

葉は大きめで、茎もそこそこ散見され、芽は入っているが少なめ。
いかにも在来種とセットになりそうな仕上げ。

鄙びた味がするが、不思議と渋みは鋭くない。
旨みも思ったよりもあり、茶葉の旨みと茎の旨みが溶けあう。
蒸しは普通(浅め)で、水色(すいしょく)はかなり黄味ががっている。
煎茶というより番茶に近い感覚。


品評会入賞茶がずらっと並ぶお店もあれば、こちらのように在来種が並ぶお店もある。
日本茶専門店といっても大きな違いがある。
しかし、どちらにしても生半可な店ではない。

こちら「茶舗あすか」さんは、お茶屋さんには珍しく、急須の品揃えも特筆すべき水準である。

2012年10月12日金曜日

全国茶品評会三等入賞 釜炒り茶 北野徳浩 思月園


全国茶品評会三等入賞 釜炒り茶
生産者:佐賀県嬉野市 北野徳浩
1,680円/100g
2012年10月思月園

三等(上位15%)でもこの価格で飲めるのは釜炒り茶ならでは。
茶葉は黒みがかり好きな香りがするが、新鮮な香りはそれほどでもない。
淹れてみると、思ったよりも、少し火入れがある普通の蒸し製煎茶に近い印象。
「釜香」を上品に抑えてあるのだろうか。
蒸し製の新鮮で繊細な香りは無くとも、緑葉の旨みが多く、臭みも無く飲みやすい。
湯の温度や量も柔軟に受け入れ、美味しく入る幅が広い。
秋冬に嬉しいお茶となりそうだ。
気づいたら同じく佐賀県の唐津焼と合わせて飲んでいた。

2012年10月2日火曜日

今秋、思月園さんの品揃えが凄い。


思月園さんのブログを見たら、各品評会のお茶が山のように入荷していて驚いた。
ここ数年で一番多いのではないだろうか?

世の中的には、放射能という、お茶に暗い陰を落とす問題は、まだまだ消えていない。
それどころか、放射能測定基準が変わったり(農水省の発表はこちら)、不穏な動きもある。
その基準で「規制値以下」とはいえど今年もセシウムが検出されている狭山茶などの生産農家は、本当に大変なことだと思う。
東京電力は自分達のボーナス復活よりも、お茶の生産農家への補償をきちんと行ってほしい。

そして、今年は店主の高宇さんも体調を崩されていた。

そんな暗い気持ちを吹き飛ばすかのような、本年の大量入荷には、熱い思いを感じずにいられない。

かぶせ茶、「やまとみどり」交配種、相良村のものが入ったり、
釜炒り茶は全国茶品評会「一等一席」(一位)を含む圧巻の品揃え

東京中見渡しても、これほどの品揃えをしているお店はあるだろうか?
東京都茶協同組合」加盟のお店を何軒か覗いてみても、品評会のお茶はあっても一種類というところもある中で、この品揃えは凄いとしか言いようがない。

上記のような色々な出来事があってみて、こうやってお茶をいただけるのは当たり前のことではなく、本当に恵まれていることだという思いを新たにする。
後から振り返って、「あの頃は色々なお茶が飲めたなあ」では遅いのだ。