2015年7月6日月曜日

賓水園製茶 特上玉露

賓水園製茶 特上玉露 1600円/100g、2015年産

今年はまだこれだというお茶に出会うことができず、目下のベストは友人宅でいただいた昨年度産の煎茶という始末。

そんな折、偶然出会ったお茶が賓水園製茶さんの特上・玉露(2015年産)である。
袋には「100%西尾産」と書いてある。

調べてみたところ、「西尾市観光協会」のサイト

当店は明治三十年の創業で、当代で四代目となります。屋号の賓水園(ひんすいえん)は西尾茶を育てた母なる河・矢作(やはぎ)の清流にちなんだものです。自園自製による良質で安全な原料を用い、常に皆様に喜んでお召し上がりいただける茶づくりを目指して努力しております。

との情報があった。

聞くところによると、玉露の中でもこちらだけが手摘みで、100g1600円らしい。
手摘みの玉露にして何という安さだろうか。

公式ウェブサイトが無いようなのだが、皆が知らないのはもったいないと思う。

2011年に飲んだ嬉野の「茶舗 多与安」さんの100g1,500円の玉緑茶も鮮烈に覚えているが、まだまだ各地には商売っ気が無くて、誠実で、背筋が伸びるようなお茶が沢山あるのだ。

お茶に限らず、練馬の糀屋三郎右衛門さんの味噌のように、物の良さに対して値段が安すぎるものに出会うことがある。
それを当然と思わず、彼らの作るものの素晴らしさに、一人でも多くの人が気付くことができればと思う。


さて、玉露ということで宝瓶や絞り出しでエキスを抽出するような飲み方をしてみると、苦味が少なく、甘み、旨みが爆発する。それでいて、旨み成分も単調ではなく葉の味が連なっている。

外観は、品評会出品茶のような細く撚られたものではなく、100g1000円の煎茶のような形状 をしているので、手摘みにしてはもったいないようにも見えるのだが、味は感激した。

また、外観の通り、黒みがかった茶葉というより緑色の茶葉の味で、山間のお茶のような香りは無いが、柔らかい。

ただ、このお茶の真価を知るには、自分ももっと玉露の経験をもっと積む必要があると痛感した。