京都、柳桜園茶舗さんは焙じ茶で名高いらしく、京都のお土産と言うと世間一般では一保堂さんであるが、通はこちらの焙じ茶を持ってゆく、というようなことを書いている人がいた。
中でも「香悦」は代表的な銘柄の一つで、茎を中心にしたほうじ茶だそうである。
ほうじ茶でパッケージングは鳥獣戯画、名は「コウエツ」とくれば、かなりみやげ物の感が強くて心配になる。
袋を見ると、100gではなく90gになっており、サイトを見るとほかにも86gの缶入りや38g、126g、173g、178gなどが目に入ってきた。
なかなか商売上手なのだと思うが、そこら中のお茶屋さんが真似したとすると、かなりめんどくさいことになりそうである。
この「香悦」の袋入りは90gで864円だから、100g換算で960円である。
グラム数をあやふやにする商法にありがちなことだが、こちらも多分に漏れず、焙じ茶としては高い部類であると言えるだろう。
しかし飲んでみると幾多の心配をよそに、味は素晴らしく、時間が経っているため香りこそ乏しいものの、しっかり熱を通しているのに焦げ臭さが無く、甘み・旨みを多く感じる。
焙じ茶を購入した経験が少ないので確たることは言えないが、今まで経験した市販の焙じ茶としては驚きの美味しさで、仕上げの巧さを存分に感じる。
自分で焙じてもこのようなものは作れない。
火というよりは熱を上手に使っているのだろうか?
商売っ気、焙煎の技術ともに、素人っぽさが一切無いお茶であると思う。
名ばかりのみやげ物とは程遠いきちんとしたお茶。飲むことができたことに感謝したい。